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10月に再びやって来るノラ・ブラウンをリリースしているブルックリンのジャロピーレコードからノラとも共演歴のあるジャクソン・リンチの在籍するダウン・ヒル・ストラグラーズの新作をはじめ素晴らしいアルバムが届きました。ご紹介いたしますのでご興味のある方はご来店の際にリクエストしてお聴きください。
Down Hill Strugglers『Old Juniper』Jalopy Records, August 2024
メンバーのイーライ・スミスとウォーカー・シェパードが出会ったのはホーリー・モーダル・ラウンダーズのピーター・スタンフェルの自宅だったとか。そこで二人はニュー・ロスト・シティ・ランブラーズのジョン・コーエンと初めて出会います。そんなエピソードがダウン・ヒル・ストラグラーズをますます興味深い存在に。彼らの7年ぶりのアルバムがジャロピーから届きました。全11曲がすべてオリジナル。イーライが5曲、ウォーカーが6曲を書き、リードヴォーカルはウォーカーが4曲、ジャクソン・リンチが2曲で受け持っています。タイトル曲の〈Old Juniper〉はニューヨーク郊外にあるウォーカーの姉所有の納屋で録音されたインスト。ウォーカーとジャクソンの弾くバンジョーとギターの隙間からコウロギの鳴き声が聞こえてきます。
Ever Lovin' Jug Band『Move That Thing』Jalopy Records, July 2024
ミニー・ハートとビル・ハワードからなるエヴァー・ラヴィン・ジャグ・バンドはカナダのバンド。これまでオーセンティックなジャグ・バンド・ミュージックを演奏してきましたが、ウィスラーズ・ジャグ・バンドやメンフィス・ジャグ・バンドなどの時代から100年が経つ現在、ジャグの演奏に可能性を求め、ロックンロールやドゥーワップはもとより、R&B、ガレージロック、グラムロックなど様々なジャンルの音楽に適用し、ジャグ・ブローの限界を押し広げようとしています。そしてオリジナルのジャグ・バンドをまだ知らないリスナーはぜひ聴いて、ジャグを吹いてみるのも良いかもしれないとのこと。ジャグ・ブローがこれから100年続きますようにだそうです。
Wyndham Baird『After the Morning』Jalopy Records, May 2024
ウィンダム・ベアードの出身はノースカロライナ州の片田舎。大学進学のためにアシュビルに移り住みましたが、大学を中退し旅をしながら唄うことを決意します。唄のお手本はドク・ワトソンとボブ・ディラン。トラモナではトム・ラッシュの歌声でお馴染みのエリック・フォン・シュミット作〈Joshua Gone Barbados〉もディランのブートで習ったとか。他にジミー・ロジャースの〈Waiting For A Train〉やトラッドの〈The House Carpenter〉や〈The Water Is Wide〉などが並び、朴訥な歌声と相俟って往年のフォークシンガーのアルバムを想いうかべますが、最後の〈She Chose Me〉は2017年リリースのランディ・ニューマン『Dark Matter』から。こんな所に新しさが感じられます。全13曲はギターとハーモニカの弾き語り。うちカーター・ファミリーの〈Meet Me By the Moonlight, Alone〉ではサモア・ウィルソンがボーカルで、プロデューサーのイーライ・スミスがオートハープで参加し、マイク・シーガーでお馴染みの〈Oh, My Little Darling〉ではイーライがバンジョーを弾き、華を添えています。
ご来店の際にリクエストしてください。
9月14日(土)は都合により13時00分からの営業とさせていただきます。
ご迷惑をおかけしますが、ご了承いただきますようよろしくお願いいたします。
The Wilderness Yet『Westlin Winds』Scribe Records, 26 July 2024
デ・ダナンの元メンバー、チャーリー・ピゴットの息子さん、ローワン・ピゴットのバンドってもう紹介しなくて良いのかな。ワイルダネス・イェットの新作『Westlin Winds』が届きました。もう4枚目になるそうです。これまで〈The Wilderness Yet〉や〈The Holly And The Ivy〉などの曲で無伴奏の魅力的なコーラスを聴かせてくれましたが、今回はお得意のフィドルやギターを置き、その無伴奏コーラスで一枚のアルバムを作り上げました。
全9曲。タイトル曲の〈Westlin Winds〉はディック・ゴーハンの歌唱で有名なロバート・バーンズの名曲。紅一点のロージー・ホジソンはソロ作『Rise Aurora』でも取り上げていますが、ベガーズ・ヴェルヴェットの『Lady of Autumn』で学んだ彼女のオールタイム・フェヴァリット・ソングとのこと。ベガーズのこのアルバムはトラモナでも隠れた名盤のうちの一枚で、ロージーに自ずと親しみを覚えてしまいます。
またシャーリー・コリンズも『The Power of the True Love Knot』で唄っていた〈Black-Eyed Susan〉は『ベガーズ・オペラ 』で有名なジョン・ゲイの作品。ここでワイルダネス・イェットが唄うのはアパラチアン・ヴァージョンで、『The Invisible Comes to Us』におけるエリザベス・ラプリールの歌唱をお手本にしたようです。大西洋を渡ったバラッドが再びイングランドに帰って来ました。
他にロージーが父親から受け継いだ古いメロディーをA・L・ロイドやマーティン・カーシーの唄う曲のリズムに組み合わせた〈Byker Hill〉や『Andy Irvine Paul Brady』におけるポールに多くを負い、初めてコーラスで唄った〈Mary and the Soldier〉、お手本はナンシー・カーのオーストラリア・ヴァージョンという〈Adieu Sweet Lovely Nancy〉、唯一フィリップ・バーンズがリードを唄う古典的なナイト・ヴィジティング・ソング〈Cocks Are Crowing〉など聴きどころが満載。ウォータソンズやヤング・トラディションなどのアルバムと並べて置きたい素晴らしい一枚、ホント名盤です。
ご来店の際にリクエストしてください。