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カフェトラモナ9月のおすすめです。
上左:David Wiffen / At The Bunkhouse Coffeehouse(Mapache Records, 2021)
カナダのSSW、デヴィッド・ウィフェンがデビュー前の1965年公演先のヴァンクーヴァーで自主制作したアルバムの初リイシュー盤です。ライヴ録音ではなく、バンクハウス・コーヒーハウスの近くの小さなスタジオで3時間で録り終え、100枚ほどプレスしたとのこと。イアン・タイソンの〈Four Strong Winds〉で幕を開けるアルバムには自作曲の〈Slice Of Life〉を始め、1stアルバムではピアノ伴奏で唄われる〈Since I Fell For You〉のギター・ヴァージョン、英国出身のウィフェンらしくロニー・ドネガンのレパートリーから〈Times Are Getting Hard〉など全11曲。注目すべきはジェシ・コリン・ヤングが『The Soul Of A City Boy』で唄ったロビン・リメイリーの〈Four In The Morning〉。その後〈More Often Than Not〉〈Driving Wheel〉など名曲の数々を生み出すウィフェンの原点です。
上右:Cold Diamond & Mink / From Us To You...With Love(Timmion Records, 2021)
ジェブ・ロイ・ニコルズとコールド・ダイアモンド&ミンクとの組み合わせによるジェブ・ロイの新作『Jeb Loy』は、ソウル・ミュージックへの揺るぎないリスペクトを持つ2組のミュージシャンたちが出会うべくして出会い生まれた傑作でした。近年心あるソウル・ファンの衆目を集めるフィンランドのレーベル、ティミオン・レコーズのハウス・バンド、コールド・ダイアモンド&ミンクの2ndは『Jeb Loy』のインスト集。ジェブ・ロイの歌声で聴き馴染んだメロディが『Jeb Loy』と同じ順で並び、ユッカ・サラッパ(Drums)とサミ・カンテリネン(Bass)の鉄壁のリズム・セクションをバックにセッポ・サルミのギターが自在に唄います。
下左:Steve Dawson's Funeral Bonsai Wedding / Last Flight Out(Kernel Sound Recordings, 2020)
スティーヴ・ドーソンはシカゴを拠点に活躍するフォーク・ロック・バンド、ドリー・ヴァーデンのフロントマン。新作の『At The Bottom Of A Canyon In The Branches Of Tree』がリリースされたばかりですが、こちらは2014年に立ち上げた別プロジェクトのフューネラル・ボンサイ・ウェディングによる昨年の2nd。ドーソンのアコースティック・ギター弾き語りと、シカゴのジャズ・ヴィブラフォン奏者ジェイソン・アダシェヴィッツのトリオとのコラボに、本作ではカルテット・パラプリュイによる弦楽四重奏が加わり、カントリー・ソウルな歌声に纏わりつくヴァイブやストリングスの音の重なりはクールでいてスリリングです。
下右:Various Artists / Migrating Bird - The Songs of Lal Waterson(Honest Jon's Records, 2007)
ラル・ウォーターソンのトリビュート盤と云えばディック・ゴーハンやマーティン・カーシーなど英国フォーク界の重鎮たちが参加したトピックの『Shining Bright』が想い起されその圧倒的な出来に納得させられますが、Honest Jon'sの6曲入りEP盤は意外性の一枚。アラスデア・ロバーツやナンシー・エリザベス、ジェイムズ・ヨークストンなどは未だしもヴィクトリア・ウィリアムスやマイケル・ハーレーの米国勢が参加し、同時リリースのCDには嬉しい驚きのジェブ・ロイ・ニコルズも。大丈夫かと思いきや各々の個性に合わせた抜群の選曲で実にしっくりした歌声を聴かせてくれます。トラッドや英国フォークの枠の中で捉えがちなラルの音楽的な多様性に思い至るアルバムです。
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Marry Waterson & Oliver Knight / The Days That Shaped Me (10th anniversary RSD reissue)(2021)
マリー・ウォーターソンとオリヴァー・ナイトのデビュー・アルバム『The Days That Shaped Me』がリリースされたのは2011年の春。ブリティッシュ・フォークの金字塔的名盤と評されたそのアルバムがリリース10周年を記念してレコード・ストア・デイのアイテムとしてアナログ化されました。真っ赤なレコードの2枚組で、A、Bの両面とC面の前半にオリジナルの14曲が、C面後半とD面にはアンディ・カッティングとオリヴァーによるインストを含む7曲のボーナス・トラックが収録されています。極めつけはラル・ウォーターソンの名曲〈Fine Horseman〉のカヴァーでしょう。この9月4日に24回目の命日を迎える母親の偉大な遺志を二人の姉と弟が確りと受け継いでいるのが分かります。
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Steve Dawson's Funeral Bonsai Wedding / Last Flight Out(Kernel Sound Recordings, 2020)
スティーヴ・ドーソンはシカゴを拠点に活躍するフォーク・ロック・バンド、ドリー・ヴァーデンのフロントマンで、2003年に奥方のダイアン・クリスチャンセンとリリースした『Duets』は、もしブラックホークの99選が編み直されるとしたら是非入れたいほどの傑作でした。新作の『At The Bottom Of A Canyon In The Branches Of Tree』がリリースされたばかりですが、本作は2014年に立ち上げた別プロジェクト、フューネラル・ボンサイ・ウェディングによる昨年の2ndです。
フューネラル・ボンサイ・ウェディングはドーソンのアコースティック・ギター弾き語りと、シカゴのジャズ・ヴィブラフォン奏者ジェイソン・アダシェヴィッツのトリオとのコラボレーション。1stリリース時にはジョン・マーティンの『Solid Air』やヴァン・モリソンの『Astral Weeks』が引き合いに出されレビューされていました。更に本作ではカルテット・パラプリュイによる弦楽四重奏が加わり、カントリー・ソウルな歌声に纏わりつくヴァイブやストリングスの音の重なりはクールでいてスリリングです。
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