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2020-05-04 10:39:00
カフェトラモナ5月のおすすめレコード

カフェトラモナ5月のおすすめです。

 

上左:Shelby Lynne ‎/ Shelby Lynne(2020)

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2月のおすすめレコードで実妹アリソン・ムーラーとのデュオ・アルバム『Not Dark Yet』をご紹介したシェルビー・リンの通算16作目の最新作です。ニーナ・シモンの伝記映画『Nina』を手掛けたシンシア・モート監督の新作映画『When We Kill the Creators』にシェルビーが出演したことを切っ掛けに生まれたアルバムで、殆どの曲の作詞をモート監督が担当し、シェルビーがピアノ、ギター、ベース、ドラムなどバックの演奏を基本ひとりで行っているなど話題に事欠きません。が、一番の魅力はダスティ・スプリングフィールドを想わせるカントリー・ソウルな彼女の歌声で、その意味では2008年の『Just A Little Lovin'』と並ぶシェルビーの代表作でしょう

 

上右:Dean Owens ‎/ The Man From Leith (The Best of Dean Owens)(2020)

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エジンバラ出身のディーン・オウエンズはスコットランドのSSW。90年代の中頃からオルタナ・カントリー・バンド、フェルソンズのフロントマンとして活躍し、既にソロ・アルバムも7枚リリースしています。初めの1、2作こそスコットランドで録音されていましたが、3作目以降はアル・パーキンスやウィル・キンブロウらを招きナッシュヴィルやニューヨークで制作しているようです。本作はベスト・アルバムですが、そのロン・セクスミスを想わせる端正な歌声はすべてのアルバムを聴いてみたくなるほどの魅力を湛えています。トラックによってはカリン・ポルワートとのデュエットも聴け、現在アリゾナのツーソンで進められているキャレキシコとの新録が待ち遠しい1枚です。

 

下左:Tim Easton ‎/ Exposition(2019)

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ラッカー盤に直接レコーディングする昔ながらの方式で録音された前作『Paco & the Melodic Polaroids』が素晴らしかったティム・イーストン。ソロ10枚目の本作はアメリカの音楽史にとって重要な意味を持つ3か所で“フィールド・レコーディング”されたベーシック・トラックに必要に応じて自身のピアノやパーカッションなどを被せただけのアコースティック・アルバムです。その3か所とはウディ・ガスリーが生まれたオクラホマ州オケマーの博物館、ロバート・ジョンソンの歴史的録音が行われたテキサス州サン・アントニオのガンター・ホテル、マディ・ウォーターズ揺籃の地ミシシッピ州クラークスデールにあるシャック・アップ・インで、フォーク・シンガーとしてのティム・イーストンの心意気がヒシヒシと伝わるアルバムです。

 

下右:Geoff Muldaur And The Texas Sheiks / Texas Sheiks(2009)

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5月8日に11回目の命日を迎えるテキサスのSSW/ギタリスト、スティーヴン・ブルトン。闘病中のスティーヴンを励まそうと古くから親交のあったジェフ・マルダーが中心になってテキサスやボストンの仲間と立ち上げたプロジェクトで、メンバーは『The Secret Handshake』でスティーヴンと一緒にジェフをバックアップしていたジョニー・ニコラス、リゼントメンツでの盟友ブルース・ヒューズなど。もちろんジム・クエスキンも参加しています。スティーヴンはヴォーカルこそ披露していませんが、ギター、マンドリン、バンジョーで大活躍、〈All By Myself〉では渾身のギター・ソロも聴かせてくれます。90年3月青山スパイラルガーデンのステージでジェフとマリアの元夫妻をバックアップしていたスティーヴン。クリス・クリストファーソンのバンドでキャリアをスタートさせたテキサスのギタリストとボストンのフォーキー達との結びつきが長い間イメージできなかったのですが本作のライナーで納得。ビル・キースのバンジョーが取り持った縁だったのですね。合掌。

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