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東欧のロマ音楽などをアコーディオンで唄い奏でる八王子在住のアラン・パットンさん。
東京ローカル・ホンクと組んで制作したCD『レモンチマン』が秀逸なSSW、松浦 湊さん。
お二人のトラモナ初お目見えのライブがいよいよ今週末10月5日に迫りました。
どうぞお見逃しなく。ご予約はお早めにお願いします。
◆2019年10月5日(土)
Alan Patton 松浦 湊
16:00 open 17:00 start
2500円 + ドリンクオーダー
ご予約はカフェトラモナ(042-842-3488もしくはこちら)まで
カフェトラモナ9月のおすすめです。
上左:Howe Gelb / Gathered(2019)
2016年に新たなジャイアント・サンドを封印し、前々作『Future Standards』(2016)と前作『Further Standards』(2017)で見事な自分流の「スタンダード」アルバムをものしたハウ・ゲルブの最新作。今回は「スタンダード」にはこだわらず、自身のギターやピアノを中心としたミニマムなアンサンブルに深みのあるダークな歌声を聴かせます。デュエット相手がM・ウォード、アンナ・カリーナ、キラ・スコーフ、ピエタ・ブラウンなど豪華で、録音地も相手に合わせスペイン、フランス、デンマーク、アイルランドそしてツーソンと多岐にわたっています。
圧巻はM・ウォードと歌うレナード・コーエンの〈A Thousand Kisses Deep〉。元々はアンナ・カリーナのために用意したトラックでしたが、いささかヌーヴェルヴァーグ女優にはレナード・コーエンは暗かったようでハウ自身のヴォーカルで録り直したとのこと。コーエン・カヴァー集に新たな名演が加わりました。なおそのアンナはジャイアント・サンドの名曲〈Not The End Of The World〉を選んでいます。
上右:Calexico and Iron & Wine / Years To Burn(2019)
アリゾナ州ツーソンのキャレキシコとSSWのアイアン&ワインによる久々のコラボレーション・アルバムです。前回の共演EP『In the Reins』は2005年のリリースですから何と14年ぶり。この時は一緒に来日公演もあり、二組のタッグは印象深いものでした。その後サントラ盤『アイム・ノット・ゼア』でキャレキシコはロジャー・マッギン、ウィリー・ネルソンなど様々のミュージシャンと共演していましたが、やはりアイアン&ワインとの〈Dark Eyes〉が抜きんでていたようでした。そんな彼らの待望の『Years To Burn』はナッシュヴィルのサウンド・エンポリアム・スタジオで録られ、サム・ビーム、ジョーイ・バーンズ、ジョン・コンヴァーティノのほか、キャレキシコからポール・ニーハウス(Pedal Steel)とジェイコブ・ヴァレンズエラ(Trumpet)、アイアン&ワインからロブ・バーガー(Piano)とセバスチャン・スタインバーグ(Bass)が参加。半端ないキャレキシコとアイアン&ワインのシナジー効果をお楽しみください。
下左:Cath & Phil Tyler / The Ox and the Ax(2018)
トピックの『Vision & Revision』と並んでイングランドの現在のトラッド・シーンを俯瞰するには恰好の一枚にStick in the Wheelによるコンピレーション『From Here - English Folk Field Recordings』がありますが、そのVol. 2でアメリカーナ的ニュアンスを窺わせるバンジョーの演奏が気になっていたCath and Phil Tylerの最新作。ニューカッスルにありながらも北米の伝統音楽のエッセンスは何処から?と思っていたところ、奥方のキャス・タイラーはあのコーデリアズ・ダッドの元メンバーとのこと、納得した次第です。なるほど本作でも〈アンクワイエット・グレイヴ〉のヴァリアントをセイクリッド・ハープ曲で唄ったり、アルメダ・リドルの録音をお手本にしたりと、マーティン・カーシーなどイングランドのマテリアルとバランスよく収まっています。前作のEP『The Song-Crowned King』と併せてお聴きください。のっけのドブロがいい感じです。
下右:Larry Jon Wilson / Larry Jon Wilson(2009)
先月ご紹介したジェブ・ロイ・ニコルズは、歴史的コンピレーション『Country Got Soul』Vol. 1 & 2にラリー・ジョン・ウィルソンの〈Sheldon Churchyard〉と〈Ohoopee River Bottomland〉を収録し、その続編とも云うべきThe Country Soul Revueによる『Testifying』ではラリー・ジョン本人を引っ張り出し、新録の〈Sapelo〉と〈Friday Night Fight At Al's〉でフィーチャーしています。そして本作『Larry Jon Wilson』がジェブ・ロイによる最終的な釣果です。ここでラリー・ジョンは自作曲を中心にディラン、ミッキー・ニューベリー、デイヴ・ロギンス、ポール・シーベルなどの楽曲を弾き語っていますが、余計な装飾を削ぎ落したジェブ・ロイとジェリー・デシッカのプロダクションが武骨なカントリー・ソウル・シンガーを内省的なSSWに蘇らせました。
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