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7月14日(火)は都合により14時00分からの営業とさせていただきます。
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英国のSSW、サム・カーターから新作『Sam Carter Sings Nic Jones』が届きました。
Sam Carter『Sam Carter Sings Nic Jones - Live at Celtic Connections』Captain Records, 26 June 2026
サム・カーターからの新作はタイトルのとおりニック・ジョーンズを唄ったトリビュート・アルバム。ニックへの敬意を表したアルバムと云うと1999年のジョン・ウェズリー・ハーディング『Trad Arr Jones』がすぐに思い起こされますが、ジョン・スミスやジョン・ウィルクス、サイ・バロン、ジャック・シャープなど現在の英国フォーク界においてもニックの影響は少なくないと思われます。昨年トラモナでも唄ってくれたクリス・ブレインも、その変則チューニングを多用したパーカッシヴなギターに相当ニックがお好きなのではと思い確認してみたかったのですが、ジェットラグでお疲れだったようでライヴ後早々に引き上げてしまいました。
で、サム・カーターですが、英国はシェフィールドを拠点に活躍するSSW兼ギタリスト。2008年のデビュー作『Here in the Ground』を皮切りにこれまでに9つの作品があります。自作曲中心ですが、〈Just As the Tide Was Flowing〉〈Oakham Poachers〉のトラッドのほかにサンディ・デニーの〈Bushes and Briars〉なども唄っています。またジム・モレイと組んだフォルス・ライツFalse Lightsの最新作『Harmonograph』ではニック・ジョーンズから学んだ〈William Glenn〉を迫力あるエレクトリック・トラッドで聴かせてくれます。
そんなサムの10枚目が本作で、今年の1月グラスゴーのケルティック・コネクションズで録られたライヴ・アルバムです。初期の〈Annan Water〉やジューン・テイバーやイライザ・カーシーなど次の世代の女性シンガーたちが挙って魅せられた〈Ten Thousand Miles〉などニック・ジョーンズのレパートリー13曲をギター1本で弾き語っています。このうちなんと半数以上の7曲がトピック盤『Penguin Eggs』から唄われ、云わばトリビュート・トゥ・ペンギンエッグズでもあります。『Penguin Eggs』収録曲で唄われていないのが〈The Flandyke Shore〉のみ。この曲、ジョン・ウェズリー・ハーディングが前世紀の終わりに『Trad Arr Jones』の中で唄った唯一の『Penguin Eggs』収録曲。偶然でしょうか、サム・カーターの先達ジョン・ウェズリー・ハーディングの偉業に対するリスペクトなのでは、と勘繰ってしまいます。
前半にはトラッド曲が並びますが、終盤9曲目は数少ないニックの自作曲〈Ruins by the Shore〉。ブルターニュの岸辺にそびえ立つ廃墟と映画『猿の惑星』でチャールトン・ヘストンが砂の中から突き出た自由の女神の松明を見つけるシーンをダブらせて描いた名曲です。続く最後の〈Farewell to the Gold〉〈The Humpback Whale〉〈Canadee-I-O〉〈The Little Pot Stove〉という『Penguin Eggs』4曲の流れは秀逸です。ニックが認めたソングライター、ポール・メツアーズとハリー・ロバートソン、そしてディランが押さえたニック・ジョーンズ(ディランが『Good As I Been to You』でニックの〈Canadee-I-O〉を唄ったのは有名な話)が並んでいます。50年近くの時が流れたアルバム『Penguin Eggs』の評価なのでしょう。いずれにしても本CD、傑作です。
全13曲。収録曲は次のようになりますが、『 』書きはニック・ジョーンズの初出アルバム
01. Master Kilby『From the Devil to a Stranger』
02. Barrack Street『Penguin Eggs』
03. Clyde Water(The Drowned Lovers)『Penguin Eggs』
04. Seven Gypsies『In Search of Nic Jones』
05. Billy Don’t You Weep for Me『From the Devil to a Stranger』
06. Courting Is a Pleasure『Penguin Eggs』
07. Ten Thousand Miles『The Noah’s Ark Trap』
08. Annan Water『Ballads and Songs』
09. Ruins by the Shore『In Search of Nic Jones』by Nic Jones
10. Farewell to the Gold『Penguin Egg』by Paul Metsers
11. The Humpback Whale(Ballina Whalers)『Penguin Egg』by Harry Robertson
12. Canadee-I-O『Penguin Egg』
13. The Little Pot Stove(Wee Pot Stove)『Penguin Egg』by Harry Robertson
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エディンバラのフォーク・デュオ、エイミー・リーチ&アラスデア・ポールの2作目が届きました。
Amy Leach & Alasdair Paul『They’ll Aye Remain』Amy Leach & Alasdair Paul, 2026
前作『Six Sangs』が素晴らしかったエディンバラのフォーク・デュオ、エイミー・リーチ&アラスデア・ポールの2作目が届きました。前作が6曲入りEPだったので今回が本格的なデビュー作。傑作です。制作はファロウ・コレクティヴのレイチェル・ニュートンで、録音がムーア・モス・ラターのトム・ムーアが務め、2025年の9月にスコットランドのサウス・ラナークシャーで1週間かけて録られました。これまでどおりアラスデアのギターでエイミーが唄うのが基本ですが、エイミーがピアノを弾き、アラスデアがヴォーカルをとる曲もあります。またプロデューサーのレイチェルとエイミーのデュエットが聴ける〈To a Meeting〉や〈Tansey〉はファロウ・コレクティヴ・ファンには堪りません。
カリン・ポルワートの『Fairest Floo'er』で聴き馴染んだ〈Mirk, Mirk〉はビッグ・バラッド〈Fair Annie of Lochroyan〉のロバート・バーンズ・ヴァージョン。その抑制のきいた歌声に耳を傾けるとトラッドの名曲に新たな名唱が加わったと想わずにいられません。エイミーとアラスデアの力強い無伴奏コーラスが素晴らしい〈Babby Allan〉は様々なヴァージョンを組み合わせて構成したとのこと。リジー・ヒギンズが祖母マリア・ロバートソンの歌について語った録音がきっかけだったとか。そのリジーの歌声に習ったのが〈Young Emslie〉。Topic盤『Princess of the Thistle』で聴くことができますが、エイミーはネットのアーカイブTobar an Dualchaisで学んだようです。
ほかにゴーディアナ・マカロックの〈Be Kind to Your Nainsel〉、モーリン・ジェルクスの〈Mary Mild〉や〈Rue and Thyme〉など、スコットランドの先輩たちの歌唱から学んだ伝統曲が並びますが、アルバムタイトルのThey'll Aye Remainはトラヴェラーで歌手でもあるルーシー・スチュワートの語った言葉で、それら伝統的な歌唱は美しく理にかなっているからこそ「いつまでも残るだろう」とのことです。
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7月6日(月)は都合により14時00分からの営業とさせていただきます。
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トラモナではジャクソン&ザ・ジャンクスのドラマーとして、或いはキキ・カヴァゾスの名作『Goodbye Blues』の制作者として知られるサム・ドアーズですが、巷間ニューオーリンズのルーツ系バンド、デズロンズの一員として語られることが多いようです。そのデズロンズの最新作が届きました。
The Deslondes『Don't Let It Die Vol. 1』New West Records, 2026
デズロンズの最新作『Don't Let It Die Vol. 1』は5枚目にして初めてのカヴァー・アルバム。スワンプ・ドッグやジョニー・キャッシュ、クリフトン・シェニエなど、これまで彼らが聴いて影響を受けてきたミュージシャンの6曲に加えて、レオニー・エヴァンスやキキ・カヴァゾスなど、現在一緒に活動する友人や仲間たちの楽曲も採り上げています。5人のメンバーのうちギターとスティールのジョン・ジェイムズ・トゥアヴィルを除く、ハウ・ピアソン、ライリー・ダウニング、サム・ドアーズ、ダン・カトラーが交代で唄うのはザ・バンドを想わせます。またジャケットの雪の中ベンチに座る5人の後ろ姿はどう見てもザ・バンド。ミシシッピー・レコードからリリースされたザ・バンドのコンピと考えるのはトラモナだけでしょうか。
A1. The World Beyond (Swamp Dogg) Howe Pearson
A2. The Ballad Of Boot Hill (Johnny Cash) Riley Downing
A3. Cordelia (Drunken Prayer) Sam Doores
A4. Try Again (The Kernal) Dan Cutler
A5. Moving (Leonie Evans) Howe Pearson
A6. I'm Gone (Kiki Cavazos) Riley Downing
B1. I'm Coming Home (Clifton Chenier) Howe Pearson
B2. Family (Nick Woods) Dan Cutler
B3. Lawdy Mama (Edgar Blanchard) Sam Doores
B4. Long Drives And Lonesome Mornings (Pat Reedy) Riley Downing
B5. Where I'm From (Shelby Lynne) Dan Cutler
B6. Don't Let It Die (Hurricane Smith) Sam Doores
収録曲のヴォーカリスト、( )の中はオリジネイターです。A1、2、B1、3、5、6がこれまで聴いて影響を受けたミュージシャンで、A3~6、B2、4が現在の仲間たちの楽曲と思われます。特にキキ・カヴァゾスの〈I'm Gone〉はサム・ドアーズが2006年に初めて聴いた彼女の曲で、最初にできたニューオーリンズの友人だったとか。ライリー・ダウニングの激渋の歌声が映えるオフィシャルMVにはカヴァゾス本人も出演していますが、彼女の作者ヴァージョンは先のジャロピー盤には収録されておらず、2009年にギル・ランドリーによって録音された音源が2023年にシングルで、2024年アルバム『Early Mountain Songs』でデジタルのみでリリースされ、Bandcampで購入することができます。
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