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新作『June Is Short, July Is Long』も好評なジェブ・ロイ・ニコルズは、ウェールズの片田舎で音楽を創造するかたわら、小説を書いたり、版画を制作したりもするアーティストです。
このたびトラモナにジェブ・ロイの版画が届きました。ジェブ・ロイの版画は開店前からの念願で、富山在住の旧友の手配で実現しました。
左がコルトレーンで右がニーナ・シモンです。どちらも2012年の『The Jeb Loy Nichols Special』のアナログ盤のジャケットに使われていましたが、刷りだされた色合いが少しジャケットと異なるようです。
ちなみにこのアルバムにはサンディ・デニーの版画も使用されていましたが、版を壊してしまったとのことです。
ジェブ・ロイ・ニコルズの音楽と一緒にお楽しみください。
カフェトラモナ8月のおすすめです。
上左:Jeb Loy Nichols and The Westwood All-Stars / June Is Short, July Is Long(2019)
ウェールズ在住のアメリカのSSW、ジェブ・ロイ・ニコルズの12枚目のソロ作。今回はツアー・バンドにお馴染みのジェニファー・カーのキーボードとホーン・セクションを加えたバンドで録音に臨んでいます。オーガニックながらもキッチリとまとまった演奏に哀愁を帯びたソウルフルな歌声が映えますが、ジェイムス・テイラーと同様にジェブ・ロイはどこを切ってもジェブ・ロイ・ニコルズです。
上右:Townes Van Zandt / Sky Blue(2019)
テキサスのSSW タウンズ・ヴァン・ザントの生きていれば75歳になる誕生日(3月7日)の週にリリースされた1973年録音の新作です。これまで一度も発表されなかった新曲〈All I Need〉と〈Sky Blue〉を聴くことができます。
こちらのTownes Van Zandt『Sky Blue』の項もご覧ください。
下左:Everything but the Girl / Amplified Heart(1994、2019)
R・トンプソン、D・トンプソン、D・マタックス等が参加したEBTGの1994年作『Amplified Heart』が発売25周年を記念してアナログ化されました。あるようでなかったネオアコの人気デュオと英国フォーク界のオールド・スクールとの歴史的な邂逅を聴くことができます。
こちらのEverything but the Girl『Amplified Heart』の項もご覧ください。
下右:大滝詠一 / ナイアガラ・コンサート'83(2019)
3月にリリースされたCDのアナログ盤です。83年7月西武球場で行われたライヴの模様を記録したもので、81年の大ヒット作『ロング・バケイション』に次ぐ『イーチ・タイム』のお披露目ライヴの予定でしたが、アルバムの完成が遅れ『ロング・バケイション』からの選曲が中心になっています。アナログ盤では針を落とすとストリングスの演奏を待たずにあのクルーナーヴォイスをいきなり堪能することができます。
ご来店の際にリクエストしてください。
昨年に引き続き朝野由彦さんが来る8月18日またトラモナで歌ってくれます。
朝野さんはベルウッド・レコードにソロ・アルバム『巡礼』のあるSSWで、1970年代の春一番コンサートには3回目の73年から最後の79年まで毎年出演されていました。特に79年のセンチメンタル・シティ・ロマンスをバックにしたパフォーマンスは圧巻で、9年間続いた名物コンサートの最後を飾るにふさわしいものでした。
その後2011年3月から再び歌い始め、2018年には傑作『星と月のランデブー』をリリースしています。昨年の東京ツアーでは最終日にトラモナにもお目見えし、村上律さんとのライブは好評を博しました。
オープニングアクトは西島寛二さん、今年も素晴らしい歌声をお楽しみください。
◆2019年8月18日(日)
16:00 open 17:00 start
オープニングアクト:西島寛二
2500円 + ドリンクオーダー
ご予約はカフェトラモナ(042-842-3488もしくはこちら)まで
7月5日はイングランドの歌姫シャーリー・コリンズの84歳の誕生日です。2015年にはCD3枚組のトリビュート・アルバムがリリースされ、多くのフォロワーたちの尊敬を集めました。また2016年には38年ぶりに新録音のアルバムも発表し健在ぶりを発揮しました。シャーリー・コリンズといえばデイヴィー・グレアムと組んだ『Folk Roots, New Routes』やアシュリー・ハッチングスとのアルビオン・カントリー・バンド、モリス・オン、アルビオン・ダンス・バンドが有名ですが、エッチンガム・スティーム・バンドも忘れることができません。当時は『A Favourite Garland』や『4. Folkfestival auf der Lenzburg』などのコンピレーション・アルバムで数曲しか聴けなかった彼らの演奏ですが、1995年にCD『The Etchingham Steam Band』がリリースされふんだんに楽しめるようになりました。アコーディオン、メロディオン、コンサーティーナ、マウス・オルガンなどフリー・リード楽器を中心とした演奏はいかにもイングランド的で、シャーリーの歌声にピタリと寄り添っています。そこで本日のトラモナでは84歳の誕生日をお祝いして、エッチンガム・スティーム・バンドを皮切りにシャーリー・コリンズの歌声を楽しみたいと思います。
カフェトラモナ7月のおすすめです。
上左:Kate Rusby / Philosophers, Poems & Kings(2019)
ケイト・ラスビーの通算17枚目。ひとえに〈Crazy Man Michael〉が聴きたかったこととピンクのアナログ盤に魅かれたのが久々のコレクションの要因です。現夫Damien O'Kaneの音作りはイマドキですが、ケイトの歌声は不変です。幾分速めにアレンジされた〈Crazy Man Michael〉とオアシスの〈Don't Go Away〉が続くSide Bにどうしても針を落としがちです。
上右:Various Artists / Vision & Revision - The First 80 Years of Topic Records(2019)
英国のフォーク・レーベル、トピック・レコーズの80周年を記念して編まれたコンピレーションです。マーティン・シンプソン、リチャード・トンプソン、ペギー・シーガー、ジョン・スミス、サム・リー、マーティン・カーシー、オリヴィア・チェイニー、ライザ・オニール、オールダム・ティンカーズなど新旧のリヴァイヴァリストが、この企画のためにトピックの広大なバックカタログから1曲ずつ選んで再演するという素晴らしいアルバムです。全20曲、20の感動が含まれています。
下左:Alialujah Choir / Big Picture Show(2015)
先月ご紹介したマーサ・スキャンランのアルバムが録音されたタイプ・ファンドリー・スタジオのオーナー、アダム・セルツァーが所属するアリアルーヤ・クワイアの2ndアルバム。アリアルーヤ・クワイアは元ノーフォーク&ウェスタンのアダム・セルツァーに元ウェインランドのアダム・シアラーとアリア・ファーラが加わったオレゴン州ポートランドの3人組で、息の合ったコーラス・ワークが魅力的なトラモナ一押しのバンドです。1枚目の傑作『Alialujah Choir』と併せてお聴きください。
下右:Jimbo Mathus / Incinerator(2019)
昨年久々にスクウィーレル・ナット・ジッパーズを復活させたジンボ・マサスの最新ソロ・アルバム。今回はプロデュースをブロンソン・テューとマット・パットンに任せ、自身ではお得意のギターも弾かずピアノとヴォーカルに徹しています。タイトル曲の〈Incinerator〉や元SNZのアンドリュー・バードの参加した〈Really Hurt Someone〉などバラード曲が際立ち、特にリリー・ハイアットとデュエットした〈Sunken Road〉は秀逸です。
ご来店の際にリクエストしてください。