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2021-07-28 08:44:00
カフェトラモナ8月のおすすめレコード

カフェトラモナ8月のおすすめです。

 

上左:Lucinda Williams / Southern Soul - From Memphis To Muscle Shoals & More(Highway 20 Records, 2021)

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ルシンダの新作は昨年12月に配信リリースされた「Lu's Jukebox」シリーズのフィジカル化第2弾。トム・ペティのトリビュートに続くサザン・ソウルのカヴァー集です。トニー・ジョー・ホワイトやダン・ペン&スプナー・オールダムの曲は勿論のこと、〈I Can't Stand The Rain〉〈Take Me To The River〉〈Misty Blue〉などハイやマラコまで数々の名曲がルーズでざらついたルシンダ流のスワンプ・ロックに仕上がっています。そして最後に『Car Wheels On A Gravel Road』でデュエイン・ジャーヴィスと共作した〈I Still Long For Your Kiss〉で締め括られる本作は、ドニー・フリッツの2ndにおける〈Breakfast In Bed〉でのフリッツとのデュエットに魅せられたファン待望のアルバムです。

 

上右:Tony Joe White / Smoke From The Chimney(Easy Eye Sound, 2021)

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ジャケットの写真でモニュメント時代のコンピかと思い込んでいたためすっかりスルーしてしまったトニー・ジョー・ホワイトの新作。実はトニー・ジョーが生前録り溜めていた未発表のアナログ音源を息子のジョディ・ホワイトが整理、デジタル化し、ブラック・キーズのダン・オーバックがオーヴァーダビングを施し完成させたもの。メンフィスはアメリカン・スタジオのボビー・ウッドやジーン・クリスマン、ナッシュヴィルの名ギタリスト、ビリー・サンフォードなどの好演をバックに、トニー・ジョーの在りし日の歌声が生き生きと蘇ります。云ってみればジョディやオーバックによる新手のトリビュート・アルバムなのでしょう。

 

下左:M.G. Boulter / Clifftown(Hudson Records, 2021)

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M・G・ボールターは英国エセックス出身のSSW。プロコル・ハルムやドクター・フィールグッドを輩出したサウスエンド=オン=シーのロック・シーンでキャリアをスタートさせ、カントリー・ロック・バンドのラッキー・ストライクスのフロントマンとしてだけでなく、エディンバラのブルー・ローズ・コードやエミリー・ポートマンのコラクル・バンドにも参加し、ソロ・アルバムも本作で3枚目。プロデューサーのアンディ・ベルとの出会いがSSWとしての成功に導いたようで、少年時代を過ごしたサウスエンド=オン=シーとよく似た架空の街「クリフタウン」を構想し、ジャケットに写されたような鄙びた海辺の街の物語を唄っています。ベロウヘッドのピート・フラッドやサム・スウィニー、ファロウ・コレクティヴのルーシー・ファレルも参加した傑作です。

 

下右:Derroll Adams ‎/ Banjo Troubadour A Live Recording(Starman Records, 2015)

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1957年2月相棒のランブリン・ジャック・エリオットと一緒に渡欧したデロール・アダムスは、ジャックが帰国した後もベルギーに留まり、ヨーロッパの地で音楽活動を続けました。2000年アントワープでその生涯を閉じるまでにトピックの10インチ『The Rambling Boys』を皮切りにジャック・エリオットと3枚、ソロ作は4枚のスタジオ・アルバムとライヴ・アルバムを1枚残しています。本作は死後発掘された2枚のライヴ盤のうちの1枚で、ベルギーのナショナル・ラジオが1973年と1980年にレコーディングした音源を一枚に纏めたもの。〈Rich & Rambling Boy〉〈The Sky〉〈Columbus Georgia〉など滋味あふれる暖かなバリトン・ヴォイスのバンジョー弾き語りが何時もながら心に染み渡ります。

 

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2021-07-24 16:38:00

8月1日(日)は都合により14時00分までの営業とさせていただきます。

ご迷惑をおかけしますが、ご了承いただきますようよろしくお願いいたします。

2021-07-19 09:57:00

7月28日(水)は都合により16時30分までの営業とさせていただきます。

ご迷惑をおかけしますが、ご了承いただきますようよろしくお願いいたします。

2021-06-30 12:23:00

7月7日(水)は都合により16時30分までの営業とさせていただきます。

ご迷惑をおかけしますが、ご了承いただきますようよろしくお願いいたします。

2021-06-16 10:57:00
カフェトラモナ6月のおすすめレコード

カフェトラモナ6月のおすすめです。

 

上左:Jeb Loy Nichols / Jeb Loy(Timmion Records, 2021)

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97年のソロ・デビュー作『Lovers Knot』はウッドストック産の名盤でしたが、早くも4半世紀弱ジェブ・ロイ・ニコルズの13枚目、イアン・ゴムとの共演盤を入れると14枚目の新作です。今回はカールトン・ジュメル・スミスやボビー・オローサなどで注目されるフィンランドのソウル・レーベル、ティミオン・レコーズからのリリース。もちろんバックはティミオンのハウス・バンド、コールド・ダイアモンド&ミンクが担当。セッポ・サルミの歌心溢れるギター・ワークやユッカ・エスコラの瀟洒なブラス・アレンジをバックに、齢を重ね渋みを増したジェブ・ロイのソウルフルな歌声が感動的です。かつてダン・ペンやトニー・ジョー・ホワイトらのカントリー・ソウル・レヴューをお膳立てしたジェブ・ロイらしいCountry Got Soulなアルバムです。

 

上右:Bonnie "Prince" Billy, Nathan Salsburg, Max Porter / Three Feral Pieces(No Quarter, 2021)

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コロナ禍の2020年、英国の若手作家マックス・ポーターがシャーリー・コリンズやジョーン・シェリーとの共演で知られるケンタッキー州ルイヴィルのギタリスト、ネイサン・サルスバーグにテキストのスクラップを送ったのが始まりです。ネイサンは隣人のボニー・プリンス・ビリーに声をかけ、共同で詩の断片を〈Orbit Song〉〈Unlearning Chant〉〈Here Song〉の3曲に仕上げました。それらは12インチのアナログ盤の片面に収録され、裏面にはルイヴィルのオスカー・パーソンズによるエッチングが施されています。ボニー・プリンスが唄い、ネイサンがギターを弾いた本作にはジョーン・シェリーもウーリッツァーで参加アコースティックながらもサイケデリックな一枚です。

 

下左:Rhiannon Giddens with Francesco Turrisi / They're Calling Me Home(Nonesuch Records, 2021)

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カラー・インサートの仲睦まじいツーショットが『No Roses』のシャーリーとアシュリーを想い起すリアノン・ギデンスとフランチェスコ・トゥリッシのコラボ第2作。2020年秋、ダブリン郊外の農場にあるヘルファイアー・スタジオで、今回は2人に加えコンゴのギタリストNiwel Tsumbuとアイリッシュ・フルート、イーリアン・パイプスのEmer Mayockも参加して1週間で録られています。キャロライナ・チョコレート・ドロップス時代に師匠のジョー・トンプソンと録音したことのある〈I Shall Not Be Moved〉の再演やトゥリッシのフレイム・ドラムだけで唄われる〈O Death〉など聴きどころ満載ですが、私なぞはジャッキー・マクシーの歌唱で知った〈When I Was in My Prime〉が甚く沁みわたります。

 

下右:Muckram Wakes ‎/ Warbles, Jangles and Reeds(Highway Records, 1980)

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先のモッシー・クリスチャンの1stに於けるジョン・アダムスの貢献には目を見張るものがありました。そのジョンのいたマックラム・ウェイクスの3rdアルバムです。ロジャーとヘレンのワトソン夫妻、ジョンとスージーのアダムス夫妻の2組の夫妻によるバンドで、一時はアルビオン・バンドのジョン・タムスが在籍していたり、ピート&クリス・コーらに合流してニュー・ヴィクトリー・バンドとして活動していたこともありましたが、これは夫妻2組による作品。達者な男性陣がフィドルやメロディオンだけでなくブラスも熟し、シェフィールドのフランク・ヒンクリフを手本にしたバラッドをアカペラで唄ったかと思えば、ミュージック・ホールの唄やカントリー・ダンス・ミュージックも聴かせます。極めつけは〈鉱夫の祈り〉の原曲〈Miner's Prayer〉やライ・クーダーも取り上げた〈Coming in on a Wing and a Prayer〉などのアメリカン・マテリアルでしょうか。

 

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