Information
Marry Waterson & Oliver Knight / The Days That Shaped Me (10th anniversary RSD reissue)(2021)
マリー・ウォーターソンとオリヴァー・ナイトのデビュー・アルバム『The Days That Shaped Me』がリリースされたのは2011年の春。ブリティッシュ・フォークの金字塔的名盤と評されたそのアルバムがリリース10周年を記念してレコード・ストア・デイのアイテムとしてアナログ化されました。真っ赤なレコードの2枚組で、A、Bの両面とC面の前半にオリジナルの14曲が、C面後半とD面にはアンディ・カッティングとオリヴァーによるインストを含む7曲のボーナス・トラックが収録されています。極めつけはラル・ウォーターソンの名曲〈Fine Horseman〉のカヴァーでしょう。この9月4日に24回目の命日を迎える母親の偉大な遺志を二人の姉と弟が確りと受け継いでいるのが分かります。
ご来店の際にリクエストしてください。
Steve Dawson's Funeral Bonsai Wedding / Last Flight Out(Kernel Sound Recordings, 2020)
スティーヴ・ドーソンはシカゴを拠点に活躍するフォーク・ロック・バンド、ドリー・ヴァーデンのフロントマンで、2003年に奥方のダイアン・クリスチャンセンとリリースした『Duets』は、もしブラックホークの99選が編み直されるとしたら是非入れたいほどの傑作でした。新作の『At The Bottom Of A Canyon In The Branches Of Tree』がリリースされたばかりですが、本作は2014年に立ち上げた別プロジェクト、フューネラル・ボンサイ・ウェディングによる昨年の2ndです。
フューネラル・ボンサイ・ウェディングはドーソンのアコースティック・ギター弾き語りと、シカゴのジャズ・ヴィブラフォン奏者ジェイソン・アダシェヴィッツのトリオとのコラボレーション。1stリリース時にはジョン・マーティンの『Solid Air』やヴァン・モリソンの『Astral Weeks』が引き合いに出されレビューされていました。更に本作ではカルテット・パラプリュイによる弦楽四重奏が加わり、カントリー・ソウルな歌声に纏わりつくヴァイブやストリングスの音の重なりはクールでいてスリリングです。
ご来店の際にリクエストしてください。
カフェトラモナ8月のおすすめです。
上左:Lucinda Williams / Southern Soul - From Memphis To Muscle Shoals & More(Highway 20 Records, 2021)
ルシンダの新作は昨年12月に配信リリースされた「Lu's Jukebox」シリーズのフィジカル化第2弾。トム・ペティのトリビュートに続くサザン・ソウルのカヴァー集です。トニー・ジョー・ホワイトやダン・ペン&スプナー・オールダムの曲は勿論のこと、〈I Can't Stand The Rain〉〈Take Me To The River〉〈Misty Blue〉などハイやマラコまで数々の名曲がルーズでざらついたルシンダ流のスワンプ・ロックに仕上がっています。そして最後に『Car Wheels On A Gravel Road』でデュエイン・ジャーヴィスと共作した〈I Still Long For Your Kiss〉で締め括られる本作は、ドニー・フリッツの2ndにおける〈Breakfast In Bed〉でのフリッツとのデュエットに魅せられたファン待望のアルバムです。
上右:Tony Joe White / Smoke From The Chimney(Easy Eye Sound, 2021)
ジャケットの写真でモニュメント時代のコンピかと思い込んでいたためすっかりスルーしてしまったトニー・ジョー・ホワイトの新作。実はトニー・ジョーが生前録り溜めていた未発表のアナログ音源を息子のジョディ・ホワイトが整理、デジタル化し、ブラック・キーズのダン・オーバックがオーヴァーダビングを施し完成させたもの。メンフィスはアメリカン・スタジオのボビー・ウッドやジーン・クリスマン、ナッシュヴィルの名ギタリスト、ビリー・サンフォードなどの好演をバックに、トニー・ジョーの在りし日の歌声が生き生きと蘇ります。云ってみればジョディやオーバックによる新手のトリビュート・アルバムなのでしょう。
下左:M.G. Boulter / Clifftown(Hudson Records, 2021)
M・G・ボールターは英国エセックス出身のSSW。プロコル・ハルムやドクター・フィールグッドを輩出したサウスエンド=オン=シーのロック・シーンでキャリアをスタートさせ、カントリー・ロック・バンドのラッキー・ストライクスのフロントマンとしてだけでなく、エディンバラのブルー・ローズ・コードやエミリー・ポートマンのコラクル・バンドにも参加し、ソロ・アルバムも本作で3枚目。プロデューサーのアンディ・ベルとの出会いがSSWとしての成功に導いたようで、少年時代を過ごしたサウスエンド=オン=シーとよく似た架空の街「クリフタウン」を構想し、ジャケットに写されたような鄙びた海辺の街の物語を唄っています。ベロウヘッドのピート・フラッドやサム・スウィニー、ファロウ・コレクティヴのルーシー・ファレルも参加した傑作です。
下右:Derroll Adams / Banjo Troubadour A Live Recording(Starman Records, 2015)
1957年2月相棒のランブリン・ジャック・エリオットと一緒に渡欧したデロール・アダムスは、ジャックが帰国した後もベルギーに留まり、ヨーロッパの地で音楽活動を続けました。2000年アントワープでその生涯を閉じるまでにトピックの10インチ『The Rambling Boys』を皮切りにジャック・エリオットと3枚、ソロ作は4枚のスタジオ・アルバムとライヴ・アルバムを1枚残しています。本作は死後発掘された2枚のライヴ盤のうちの1枚で、ベルギーのナショナル・ラジオが1973年と1980年にレコーディングした音源を一枚に纏めたもの。〈Rich & Rambling Boy〉〈The Sky〉〈Columbus Georgia〉など滋味あふれる暖かなバリトン・ヴォイスのバンジョー弾き語りが何時もながら心に染み渡ります。
ご来店の際にリクエストしてください。
8月1日(日)は都合により14時00分までの営業とさせていただきます。
ご迷惑をおかけしますが、ご了承いただきますようよろしくお願いいたします。
7月28日(水)は都合により16時30分までの営業とさせていただきます。
ご迷惑をおかけしますが、ご了承いただきますようよろしくお願いいたします。