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カフェトラモナ10月のおすすめです。
上左:Shirley Collins / Heart's Ease(2020)
2016年の『Lodestar』に続くシャーリー・コリンズの復活第2作が届きました。プロデュースのイアン・キアリー(元Oysterband)や脇を固めるアルビオン・モリスのジョン・ウォッチャム、ラトル・オン・ザ・ストーヴパイプのデイヴ・アーサーとピート・クーパーなどのバックの面子はほぼ変わりありませんが、今回はスタジオ録音。リラックスできるようにとシャーリーの自宅で録音された「暫定的」な前作に比べ、シャーリーの復活劇は本格的に幕が開けられたようです。
詳しくは こちら をご覧ください。なお〈Locked in Ice〉の作者であるバズ・コリンズのソロやアルビオン・モリス、ラトル・オン・ザ・ストーヴパイプのアルバムもコレクションしています。興味のある方はどうぞリクエストしてください。
上右:Stick in the Wheel / Hold Fast(2020)
『English Folk Field Recordings』Vol.1, 2(2017, 2019)やBelinda Kempster & Fran Foote『On Clay Hill』(2019)、Jack Sharp『Good Times Older』(2020)など素晴らしいアルバムのリリースが続いているFrom Here Records。その中心的存在であるStick In The Wheelから3枚目のアルバムが届きました。スティック・イン・ザ・ホィールは女性シンガーのニコラ・キアリーとプロデュースとバック・トラックを担当するイアン・カーターの二人組。今回はこのふたりに女性ドラマーのシャーン・モナハンと1曲だけあのジョン・カークパトリックがメローディオンで加わっています。やはり気になるのはジョン・カークの参加した〈Budg & Snudg〉。18世紀まで死刑が執行されていたロンドンのタイバーン処刑場について唄った古謡で、悪名高いニューゲート刑務所の劣悪な環境で生き残ろうとする窃盗犯の日常を唄うにはジョン・カークの重いモリスのリズムが必要だったとか。他にキプリングの詩にピーター・ベラミーが曲を付けた〈Soldier Soldier〉も収録。
下左:Cinder Well / No Summer(2020)
シンダー・ウェルはカリフォルニア生まれのアメリア・ベイカーのワンマン・プロジェクト。一緒にツアーをしたLankumの影響でアイルランド音楽を学ぶためにクレア州に移り住んだと云います。3作目の本作はワシントン州の古い教会を改築したスタジオでニッチ・ウィルバーによって録音され、メンバーはヴィオラ、コーラスのマリット・シュミットとヴァイオリン、コーラスのメイ・ケスラーのふたりが加わるのみで、自身の弾くギター、オルガン、フィドルが硬質なアメリアの歌声を際立てています。全9曲中、ロスコー・ホルコムをお手本にした〈Wandering Boy〉やジーン・リッチーの〈The Cuckoo〉、フィドル・チューンの〈Queen of the Earth, Child of the Skies〉のトラッド3曲以外はすべて自作曲。中でもタイトル曲〈No Summer〉はコロナ禍の夏を予見したかのようです。
下右:小坂忠とFour Joe Half / ロック・ソサエティ・ウラワ 1972夏の陣(2020)
小坂忠、駒沢裕城、松任谷正隆、後藤次利、林立夫というまだダイヤモンドの原石だった5人の若者が揃って活動していたのは1972年の1年足らず。これまで小坂忠2nd『もっともっと』、CDボックス『1972春一番』と2種のライヴ音源がリリースされていますが、今回1972年8月26日浦和の埼玉会館大ホールでの音源が発掘されました。『もっともっと』が3月30日の実況録音ですから約5か月後の少しワイルドなFour Joe Halfの演奏が堪能できます。若干ベース音が抑え気味ながらも録音は良く、〈春を待ってる私はこたつの中〉や〈どろんこまつり〉でのピアノとペダル・スティールのスリリングな絡みにゾクゾクさせられます。
ご来店の際にリクエストしてください。