Vinyl and so on

toramona's 99
2020-12-26 15:55:35
Alialujah Choir ‎/ The Alialujah Choir(2012)
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『The Alialujah Choir』はオレゴン州ポートランドのフォーク・トリオ、アリアルーヤ・クワイアの1stアルバム。2008年ポートランド最古のローン・ファー・セメタリーに寄せたベネフィット・アルバムで別のバンドで活動していたアダム・セルツァー(ノーフォーク&ウェスタン)とアダム・シアラー(ウェインランド)の二人のアダムが共演したことがアリアルーヤ・クワイアの振出しになりました。さらに同じくウェインランドのアリア・ファーラをピアノとヴォーカルに誘ってバンドは出来上がりますが、その時バンド名をハレルヤ・クワイア(Hallelujah Choir)をもじってAlialujah Choirとするのがアリア参加の条件だったとか。2本のギターとピアノのアコースティカルな演奏をバックに唄われる息の合ったハーモニー・ワークが女声を含むコーラスながらCS&Nを想わせ魅力的です。

 

録音はセルツァーが1998年に開設した録音スタジオ、タイプ・ファウンドリー。セルツァーはじめ、レイチェル・ブラムバーグ、ピーター・プロデェリックなどノーフォーク&ウェスタンのメンバーによる卓越したスタジオ・ワークでポートランドのミュージック・シーンの中心的存在となったのはウッドストックのベアズヴィル・スタジオと似ています。残念ながらこの2月(2020)に22年間の歴史に幕を下ろしてしまいましたが、ノーフォーク&ウェスタンの諸作やM・ウォード『Duet For Guitars #2』、ローラ・ギブソン『If You Come To Greet Me』など数多くの名盤がここで録音されました。もちろん本作もそのリストに名を連ねる名盤です。

 

その後バンドはドラムス、ベースなどサポート・メンバーを加え、2015年に2ndアルバム『Big Picture Show』をリリース。現在は活動していないようですが、この11月に配信リリースされたアダム・セルツァーのソロ作『Slow Decay』ではアリア・ファーラがコーラスで息の合ったハーモニーを聴かせ今後の展開に期待できそうです。なお、CDリリース時にJealous Butcher RecordsのSeries33で33枚だけ限定プレスされたアナログ盤が今回コレクションできました。ちなみにシリアル番号は17/33です。

 

ご来店の際にリクエストしてください。

2020-07-11 16:52:35
Terry Earl Taylor / Another Time(2003)
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元々テリー・アール・テイラーはロンドンのパブやクラブでR&Bを唄っていたシンガー。古いフェンダーのバンジョーを抱えたポートレートの太太しさはあのロジャー・ティリソンを想わせますが、朗々とした唄いぶりには寧ろアーチー・フィッシャーのトラッド・シンギングに近い味わいがあります。

 

録音はイングランドの片田舎。それが何故ペンシルベニアのサイケなDark Hollerからリリースされたかは詳らかではありません。ドック・ボックスやバスコム・ラマー・ランスフォードのアパラチアン・ブルーズにインスパイアされたという自作曲の数々は、アルバム・リリース後数多く唄われたHuman Songの中でも指折りの出来映えです。

 

ご来店の際にリクエストしてください。

2019-08-05 18:49:44
Jeb Loy Nichols /Lovers Knot(1997)
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ケヴィン・ブレイト、ダグ・ウィムビッシュ、 ジョン・メデスキ、ダギー・バウン、カーティス・フォークスといった同時代の先鋭ミュージシャンをベアズヴィル・スタジオに集め、クレイグ・ストリートによって制作されたジェブ・ロイ・ニコルズのソロ・デビュー作です。

 

ジェブ・ロイ・ニコルズは、アメリカのワイオミング生まれでミズーリ育ち、子供の頃からカントリーやブルーグラスを聴いて育ち、これぞ自分の音楽と初めてハマったのはサザン・ソウルだったといいます。現在暮らしている英国ウェールズの片田舎に辿り着くまで、漂泊したニューヨークやロンドンでネナ・チェリー、アリ・アップ、エイドリアン・シャーウッドらと出会い、次第にヒップホップやレゲエにも傾倒していったとのことです。

 

1990年に奥方のローレイン・モーリーと結成したフェロウ・トラヴェラーズは「ヴェルヴェットの3枚目とロニー・レインを足して、ダブの風味を効かせた」サウンドと云われていましたが、本作では更にソウル・ミュージックの影響を際立たせ、ザ・バンドに代表されるアメリカーナを再構築しています。

 

彼の地ウッドストックでは面子は替わっても志しは変わらないなどと驚喜したのを覚えていますが、とにかく名盤です。

2019-07-26 19:19:13
Roger Tillison / Songs For Woody
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『Roger Tillison's Album』録音前のロジャー・ティリソンは一時移り住んでいたウッドストックのフォーク・サーキットで、夜な夜なギターの弾き語りを聴かせていたといわれています。そんなティリソンのウッドストック・デイズを髣髴させるのが本作『Songs For Woody』です。2ndアルバム『Mamble Jamble』と同時に並行して録音されていたEPで、タイトルのとおり〈Pretty Boy Floyd〉などガスリー曲中心の選曲のなか、1stにも収録されていた〈One Good Friend〉やJ・J・ケイルもカヴァーした〈One Step Ahead of the Blues〉などもアコースティック・ギター1本で唄われています。かつてS・ワンダー曲でバンジョーやフィドルを使い、そのフォーキーな解釈に魅せられたものにとって名作『Roger Tillison's Album』に勝るとも劣らない1枚です。

 

Track List

01. New York Town (Woody Guthrie)

02. Pretty Boy Floyd (Woody Guthrie)

03. No More Cane On The Brazos (Traditional)

04. One Step Ahead Of The Blues (Roger Tillison)

05. Buffalo Skinners (Woody Guthrie)

06. One Good Friend (Roger Tillison)

2019-04-15 14:38:10
Stephen Dawson and Diane Christiansen / Duets(2003)
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例えば「The Dark End of the Street」のようなアメリカン・マテリアルを唄った時のリチャード&リンダ・トンプソンを思い浮かべてください。
 
ソウルフルですが抑制の効いたヴォーカル、寄り添うように唄われるハーモニー。本作はシカゴのオルタナ・カントリー・バンド、ドリー・ヴァーデンのフロントに立つおしどりSSW、スティーヴン・ドウソンとダイアン・クリスチャンセンが2003年にリリースしたデュエット・アルバムです。
 
ライブ音源5曲を含む全11曲はタイトルどおり殆ど二人きりで録られたもので、バンジョーとトランペットの組み合わせが絶妙な「Doghouse Window」をはじめ珠玉のメロディが並んでいます。
 
2008年にはバンドの13周年ライブをシカゴのOld Town School of Folk Musicで行ったとか。そう言えば2007年にリリースされた『Old Town School of Folk Music Songbook』Vol.4でスティーヴンとダイアンは「This Train」を唄ってましたっけ。

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