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2023-05-05 17:53:00
トラモナ一押しのジョン・ウィルクスさんの新作『Before I Knew What Had Begun I Had Already Lost』がリリースされました。

Jon Wilks『Before I Knew What Had Begun I Had Already Lost』Self Released, 5 May 2023

 

ジョン・ウィルクスの新作『Before I Knew What Had Begun I Had Already Lost』が届きました。ジョンは現在ハンプシャー州ホイットチャーチを拠点に活躍するイングランドのフォーク・シンガー。かつて日本に12年間住んだことがあり、奥様も日本の女性とか。昨年Ele-King誌のフォークの逆襲号で「インディっぽいブリティッシュ・トラッド10選」という秀逸の記事を書いていたのでご存じの方もいらっしゃるのでは。既に3作(フィジカルでは2作)のフルアルバムがあり、本作は2021年の傑作『Up The Cut』に続く4作目です。

 

前作や前々作の『Midlife』では故郷バーミンガムやミッドランズのトラッドを意欲的に取り上げ紹介するキュレーターさながらの佇まいがたまらなく魅力的でしたが、今回はジャッキー・オーツやジョン・ナイス(キーボード)、ルーカス・ドリンクウォーター(ベース)ら友人の手を借り、自伝的なオリジナル曲や昨年10月急逝したベロウヘッドの名フィドル奏者で友人のポール・サーティンとの思い出の楽曲を中心に据え、これまでとは少し趣きを変えた選曲で、多彩な歌声を聴かせてくれます。

 

長崎や東京の地名も唄い込み奥様に捧げた自作曲〈Tape Machine〉やジョンとポールの住むホイットチャーチで採集されたトラッドで、ポールのパートをジャッキー・オーツが再現した〈Haymaking Song〉、サム・ラーナーの歌唱から学んだ2曲、滋味あふれるギター弾き語りの〈Lofty Tall Ship〉とワイルドなエレクトリック・トラッドの〈Will Watch〉など聴きどころ満載ですが、極めつけは〈Erin, Sad Erin〉。昨年7月ポールが企画した難民救済コンサートのためにジョンが用意したアイルランドのイミグラント・ソング。ジョンの切なげな歌声を聴いていると故郷を失ったアイリッシュの悲しみとかけがえのない友を亡くしたジョンの悲しみがシンクロしてくるようです。

 

他にもインストの〈Gallons of Brandy/ Fox Tell〉はジャッキー・オーツ&ジョン・スパイアーズ『Needle Pin, Needle Pin』からのカヴァー。ニーズ・トンプソン(Knees Thompson)さんの卓越した膝さばきが堪能できます。

 

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