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カフェトラモナ5月のおすすめです。
上左:Joan Shelley / Rivers and Vessels(2018)
ケンタッキー州ルイヴィルの"サンディ・デニー"、ジョーン・シェリーの新作は、既に昨年の3月にデータ配信されていたカヴァーEP。今年のレコード・ストア・デイの際に12インチ・アナログ盤でフィジカル化されたのでちょっと頑張ってみました。アルバムはニック・ドレイクの「Time Has Told Me」で始まりますが、他にJ・J・ケイル「Magnolia」、カズン・エミィ&NLCR「Pretty Little Miss」、ドリー・パートン「Bridge」、コニー・コンヴァース「How Sad, How Lovely」などがカヴァーされています。極めつけは「Silver Whistle」。シリー・シスターズでマディ・プライアとジューン・テイバーが唄っていたトラッドで、清々しいジョーンの歌声とそれに寄り添うように奏でられるネイサン・サルスバーグのギターが聴きどころです。6曲中4曲でボニー・プリンス・ビリー、ダニエル・マーティン・ムーア、ダグ・ペイズリー、ジュリア・パーセルの豪華ゲスト・シンガーとのデュエットが聴けるのも嬉しい。
上右:Luther Dickinson and Sisters of the Strawberry Moon / Solstice(2019)
先月『Blues and Ballads』をご紹介したルーサー・ディッキンソンの新プロジェクト。ルーサーは、アリソン・ラッセルやエイミー・ヘルム、シャーデ・トーマス等女性陣にヴォーカルを任せ、プロデュースとギターに専念し裏方に徹しています。こちらをご覧ください。
下左:Todd Snider / Cash Cabin Sessions Vol. 3(2019)
時折フォーク・シンガーに戻るルーツ・ロッカー、トッド・スナイダーの新作。当初彼のバンド、ハード・ワーキング・アメリカンズのアルバムとしてジョニー・キャッシュのレコーディング・スタジオCash Cabinで録音されていたようですが、曲折の末、本人名義のアルバムになったようです。自身のハーモニカやマンドリン、ジェイソン・イズベルとアマンダ・シャイアスによるバック・ボーカルなどダビングはあるものの殆どギターとバンジョーの弾き語り。ジョニー・キャッシュの亡霊とロレッタ・リンが踊る「The Ghost Of Johnny Cash」、南部の大物プロデューサーへのオマージュ「Cowboy Jack Clement's Waltz」がいたく沁みます。
下右:T字路s / Tの讃歌(2015)
新作の『Pit Viper Blues』もリリースされていますが、本作は2015年のカヴァー・アルバム。
服部良一「銀座カンカン娘」、浅川マキ「少年」、細野晴臣「恋は桃色」、ボ・ガンボス「トンネルぬけて」、中島みゆき「ホームにて」、エディット・ピアフ「 愛の讃歌」など数々の名曲が伊東妙子のド迫力のボーカルで唄われています。まさに「全身全霊」。ブルース&フォーク・デュオ、T字路sの入門盤です。
ご来店の際にリクエストしてください。
昨年に引き続き今年もスーマーさんにトラモナで唄っていただきます。
「人生行きあたりばったり」や「ちょいと寂しい夜のうた」などがTVや映画の『深夜食堂』でお馴染みのスーマーさんは、カフェトラモナにとって名づけの親的存在。
そんなスーマーさんの歌声がまたトラモナに響きます。
愉しみです。
◆2019年6月16日(日)
16:00 open 17:00 start
2500円 + ドリンクオーダー
ご予約はカフェトラモナ(042-842-3488若しくはこちら)まで
ブログ Songs from CafeToRamona に「ルーサーとストロベリー・ムーン姉妹のスワンプの極み」をアップしました。
こちらをご覧ください。
カフェトラモナ4月のおすすめです。
上左:細野晴臣 / Hochono House(2019)
1973年の名作『HOSONO HOUSE』を打ち込みで再構築というのでちょっと躊躇っていたのですが、針を落とすと殊のほかアナログ的な手触りで一安心。曲順を逆さまにしたり、歌詞を変えたり様々な工夫がされていますが、オリジナルには無かったギター・ソロが鈴木茂っぽい「薔薇と野獣」とサザン・ソウルな「僕は一寸・夏編」がフェイバリットです。
上右:Karine Polwart / Law Of Motion(2018)
傑作『This Earthly Spell』から10年、7枚目のこのアルバムでまた一皮むけたようです。とにかくスコットランドのSSWでは抜きんでています。スティーヴン・ポルワートとインゲ・トマソンのアコースティックかつ硬質な演奏が凛としたカリンの歌声を際立てます。
下左:Luther Dickinson / Blues and Ballads(2016)
North Mississippi Allstarsのフロントマン、ルーサー・ディッキンソンの5枚目。タイトルと副題の「A Folksinger's Songbook, Vol. 1 & 2」からトラディショナルなブルースとバラッド集と思いきや全曲ルーサーのオリジナルです。シャーデ・トーマス(Ds)とエイミー・ラヴェル(B)のThe Wanderingでお馴染みの女性リズム・セクションをバックに渋いのどとスライド・ギターを聴かせ、これまでのソロ作ではベストの出来。曲によってはチャールズ・ホッジス(B3、P)、メイヴィス・ステイプルズ(Vo)など豪華ゲストも。
下右:The Wainwright Sisters / Songs In The Dark(2015)
五郎さんのDJ Hourにちなんでラウドン・ウェインライトⅢ関連を。The Wainwright Sistersは、ラウドンを父に持つ異母姉妹、ケイト・マクギャリグルが母親のマーサ・ウェインライトとサージ・ローチェが母親のルーシー・ウェインライト・ローチェのデュオです。本作は幼少期にマーサとルーシーが二人の母親に歌ってもらった「暗く神秘的で美しい」子守歌を集めたアルバムで、ケイト作とラウドン作はもちろんのこと、ジミー・ロジャース、ウディ・ガスリー、テリー・ローチェ、ロザリー・ソレルズ、タウンズ・ヴァン・ザント、リチャード・トンプソン、そしてボシィ・バンドの面々の作品が続きます。それにしても随分渋い子守歌で育ったんですね。
ご来店の際にリクエストしてください。
昨日、『中川五郎Live&DJ Hour』が終了しました。
初めての試みでしたが、お陰様で大盛況、素敵なライブでした。
1部のDJ Hourではネットフリックスで配信しているラウドン・ウェインライト三世のライブショー『似たもの親子』 が素晴らしいとのことで、ラウドンのほかケイト・マクギャリグル、ルーファス、マーサ兄妹、サジー・ローチェのローチェス、ルーシー・ウェインライト・ローチェなどラウドン一家が一望できる選曲で、珍しいところでは、ローチェス姉妹のもう一人の兄弟、デヴィッド・ローチェやマギー・ローチェの息子、フェリックス・マクテイグの歌声も聴くことができました。
2部のライブは、お馴染みの「言葉」で始まり、前半には都月次郎さんの詩に曲を付けた楽曲が3曲続けて歌われ、後半はジャック・プレヴェールの「戦争」から「ピーター・ノーマンを知っているかい」の流れが圧巻、パワフルなライブでした。
五郎さん、DJとライブの二役、たいへんお疲れさまでした。ありがとうございました。そしてお越しくださった皆様、ありがとうございました。この企画またやりたいと思っています。どうぞ五郎さん、皆様よろしくお願いします。