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2022-07-01 14:21:00
カフェトラモナ7月のおすすめレコード

カフェトラモナ7月のおすすめです。

 

上左:Joan Shelley / The Spur(No Quarter, 2022)

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米国はケンタッキーにあってその佇まいがサンディ・デニーを想わせるジョーン・シェリーの新作。旅先のレイキャビクで地元のミュージシャン達と録った『Like The River Loves The Sea』から3年、ケンタッキーに戻って久々のスタジオ録音です。ベーシック・トラックを夫君のネイサン・サルスバーグと二人で録り、ジェイムズ・エルキントンのプロデュースのもと、ストリングスやブラスなど追加のトラックをダビングし、ビル・キャラハンやメグ・ベアードのヴォーカルはリモートでレコーディングしたようです。レナード・コーエンの〈You Want It Darker〉を引用した〈When The Light Is Dying〉、アンサンクスやカリン・ポルワートにでも唄わせたいトラッドライクな〈Between Rock & Sky〉など聴きどころ満載です。

 

上右:Nathan Salsburg / תהלים = Psalms(No Quarter, 2021)

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ジョーン・シェリーのギタリストのほか、シャーリー・コリンズ『Heart's Ease』での客演、アラン・ロマックス『Root Hog Or Die』などのライナーでトラモナでもお馴染みのネイサン・サルスバーグですが、ソロ作のコレクションはこれが初めて。昨年夏にリリースされた4枚目のソロ・アルバムになります。旧約聖書に収められた「詩篇」(サーム)に曲を付け、ヘブライ語で唄った意欲作で、ジェイムズ・エルキントンやジョーン・シェリー、ウィル・オールダムなどいつものメンバーにサポートされていますが、特にヘブライ語の歌唱指導などイスラエルのSSW、Noa Babayofの貢献が大きかったようです。制作にあたって心がけたように心地の良いアルバムになりました。

 

下左:Sandy Denny / Early Home Recordings(Earth, 2022)

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フェアポート加入前のサンディ・デニーのホーム・デモは80年代の終わり頃から豪ファンクラブ発行のカセット・テープなどで少しずつ紹介されてきましたが、決定打となったのは2010年11月アイランドからリリースされた19枚組CDボックス『Sandy Denny Box Set』でした。19枚中8枚が未発表音源で、ホーム・デモは〈Who Knows Where the Time Goes?〉の2つのバージョンを含む27曲が収録されていました。本作はその27曲を網羅した2枚組アナログ盤で、ホーム・デモ単独でのリリースは初めてになります。アン・ブリッグス作の〈The Time Has Come〉と〈Go Your Own Way My Love〉のほか、トラッドの〈She Moves Through The Fair〉や〈Let No Man Steal Your Thyme〉も唄われていますが、どちらもエジンバラ・フォーク・フェスティバルのライヴ・アルバムにアンの歌唱が収録されている楽曲。偶然ではないでしょう。

 

下右:Eoghan Ó Ceannabháin & Ultan O'Brien / Solas an Lae - The Light of the Day(Watercolour Music, 2020)

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Eoghan Ó Ceannabháinはアイルランド・コネマラ出身のゲーリック・シンガー。2015年にスコットランドのメアリー・アン・ケネディが招集したAon Teangaの一員で、ダブリンのトラッド・バンド、スキッパーズ・アレイの初期のメンバーでした。相棒のUltan O'Brienはそのスキッパーズ・アレイで今でも活躍するフィドラーで、お互いバンド仲間でもあります。既にデータ配信はされてはいたもののフィジカルのアナログ盤がリリースされ届いたのがこの春。歌声とフィドルのアルバムは圧巻で、予約から1年以上待たされた甲斐があるというものです。Treasa Ní Mhiolláinの歌声をサンプリングした〈Cuirt Bhaile Nua〉など鬼気迫るトラックが並んでいます。

 

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