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カフェトラモナ8月のおすすめです。
上左:Lucinda Williams / Southern Soul - From Memphis To Muscle Shoals & More(Highway 20 Records, 2021)
ルシンダの新作は昨年12月に配信リリースされた「Lu's Jukebox」シリーズのフィジカル化第2弾。トム・ペティのトリビュートに続くサザン・ソウルのカヴァー集です。トニー・ジョー・ホワイトやダン・ペン&スプナー・オールダムの曲は勿論のこと、〈I Can't Stand The Rain〉〈Take Me To The River〉〈Misty Blue〉などハイやマラコまで数々の名曲がルーズでざらついたルシンダ流のスワンプ・ロックに仕上がっています。そして最後に『Car Wheels On A Gravel Road』でデュエイン・ジャーヴィスと共作した〈I Still Long For Your Kiss〉で締め括られる本作は、ドニー・フリッツの2ndにおける〈Breakfast In Bed〉でのフリッツとのデュエットに魅せられたファン待望のアルバムです。
上右:Tony Joe White / Smoke From The Chimney(Easy Eye Sound, 2021)
ジャケットの写真でモニュメント時代のコンピかと思い込んでいたためすっかりスルーしてしまったトニー・ジョー・ホワイトの新作。実はトニー・ジョーが生前録り溜めていた未発表のアナログ音源を息子のジョディ・ホワイトが整理、デジタル化し、ブラック・キーズのダン・オーバックがオーヴァーダビングを施し完成させたもの。メンフィスはアメリカン・スタジオのボビー・ウッドやジーン・クリスマン、ナッシュヴィルの名ギタリスト、ビリー・サンフォードなどの好演をバックに、トニー・ジョーの在りし日の歌声が生き生きと蘇ります。云ってみればジョディやオーバックによる新手のトリビュート・アルバムなのでしょう。
下左:M.G. Boulter / Clifftown(Hudson Records, 2021)
M・G・ボールターは英国エセックス出身のSSW。プロコル・ハルムやドクター・フィールグッドを輩出したサウスエンド=オン=シーのロック・シーンでキャリアをスタートさせ、カントリー・ロック・バンドのラッキー・ストライクスのフロントマンとしてだけでなく、エディンバラのブルー・ローズ・コードやエミリー・ポートマンのコラクル・バンドにも参加し、ソロ・アルバムも本作で3枚目。プロデューサーのアンディ・ベルとの出会いがSSWとしての成功に導いたようで、少年時代を過ごしたサウスエンド=オン=シーとよく似た架空の街「クリフタウン」を構想し、ジャケットに写されたような鄙びた海辺の街の物語を唄っています。ベロウヘッドのピート・フラッドやサム・スウィニー、ファロウ・コレクティヴのルーシー・ファレルも参加した傑作です。
下右:Derroll Adams / Banjo Troubadour A Live Recording(Starman Records, 2015)
1957年2月相棒のランブリン・ジャック・エリオットと一緒に渡欧したデロール・アダムスは、ジャックが帰国した後もベルギーに留まり、ヨーロッパの地で音楽活動を続けました。2000年アントワープでその生涯を閉じるまでにトピックの10インチ『The Rambling Boys』を皮切りにジャック・エリオットと3枚、ソロ作は4枚のスタジオ・アルバムとライヴ・アルバムを1枚残しています。本作は死後発掘された2枚のライヴ盤のうちの1枚で、ベルギーのナショナル・ラジオが1973年と1980年にレコーディングした音源を一枚に纏めたもの。〈Rich & Rambling Boy〉〈The Sky〉〈Columbus Georgia〉など滋味あふれる暖かなバリトン・ヴォイスのバンジョー弾き語りが何時もながら心に染み渡ります。
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