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カフェトラモナ8月のおすすめです。
上左:Bob Dylan / Rough And Rowdy Ways(2020)
『Tempest』以来8年ぶりのオリジナル・アルバム。久しく聴くことができなかったディランの新曲はやはり凄い。6月19日の配信解禁以来ずっとストリーミングしていましたが、先月の終わりにやっとアナログ盤が届きました。暫くは唯々耳を傾けるばかりです。
上右:The Unthanks / Live and Unaccompanied - Diversions Vol. 5(2020)
ジ・アンサンクスはイングランドは北東端のノーサンバーランド出身のレイチェルとベッキーのアンサンク姉妹を中心とした5人組。ディヴァージョンズ・シリーズ(寄り道シリーズ?)はオリジナル・アルバムと云うよりも企画もの的なシリーズで、過去にはロバート・ワイアットやモリー・ ドレイク(ニックの母親です)のトリビュート・アルバムなどをリリースしています。本作はそのシリーズの5作目で、昨年の春のUnaccompanied, As We Areツアーの模様を収録したもの。昨年のツアーは姉妹にメンバーのニオファ・キーガンを加えた女声トリオのみによる無伴奏ツアーで、英国とアイルランドの31か所を巡ったなかから選りすぐりの13曲が収められています。なかでも〈Magpie〉は秀逸。詳しくは こちら をご覧ください。
下左:Anne Briggs / An Introduction to Anne Briggs(2018)
トピック・レコードの主要ミュージシャンを紹介するイントロダクション・シリーズのうちの一枚。A面には『The Iron Muse 』や『The Bird in the Bush 』のアンソロジーとアン・ブリッグス名義のEP『The Hazards of Love 』から2曲ずつ、B面にはトピック唯一のソロ作『Anne Briggs 』から5曲、録音後直ぐにリリースされず1996年に日の目を見た『Sing a Song for You』から1曲、全12曲が年代順に収められています。既にリリース済みのものばかりで目新しさはありませんが、この並びで聴くのも一興。ジャケットは『The Iron Muse 』録音時のワン・ショット。美しいです。
下右:Martyn Wyndham-Read / A Rose from the Bush(1984)
『Live and Unaccompanied』終盤で唄われる〈Caught in a Storm〉はアンサンクスが好んで取り上げるソング・ライター、グレイム・マイルズの楽曲です。そのマイルズを「the world champion songwriter」と賛辞し、数多く唄うシンガーにマーティン・ウィンダム・リードがいますが、本作はウィンダム・リードがマイルズ曲を初めて取り上げたアルバム。マーティン・カーシー、ジョン・カークパトリックらをバックに〈The Opal Beds of Australia〉と〈Otago〉の2曲をいつもながら朗々と唄っています。この後ウィンダム・リードはアルバム毎にマイルズ曲を取り上げ、2001年にはマイルズ集『Where Ravens Feed - Songs by Graeme Miles』をリリースします。A・L・ロイドの『Leviathan!』や『The Great Australian Legend』など歴史的名盤に参加し、ソロ作も本作をはじめ『Ned Kelly and That Gang』『Ballad Singer』『Emu Plains』などどれも充実のマーティン・ウィンダム・リードは今も現役。いつか紹介したかったシンガーのうちの一人です。
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