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九州福岡のお客様、Mさんから"ジョナー・トルチンの『Fires for the Cold』と並ぶ名盤"と教えていただいたヘンリー・パーカーの『Silent Spring』が届きました。
ヘンリー・パーカーはウェスト・ヨークシャー出身のSSW/ギタリスト。幼い頃からブラック・サバスやスレイヤーなどハードロックやヘヴィメタを聴いて育ちましたが、リーズ大学在学中に出会ったバート・ヤンシュの1stアルバムがそれまでの音楽的嗜好を劇的にフォーク・ミュージックにシフトさせたとのこと。マイケル・チャップマン、ウィズ・ジョーンズ、ブリジット・セント・ジョン、ソフト・マシーンなどのサポート・ワークをしながら、ソロ活動を続け、この11月には2ndアルバムもリリースされる予定です。
レイチェル・カーソンの名著『沈黙の春』にインスパイアされた〈Silent Spring〉をタイトル曲にした本作は2019年のデビュー・アルバムで、プロデュースはピート・コーやスティーヴ・ティルストンで知られるデヴィッド・クリックモア。バックにはオーガスティン・ボスフィールド(ダブル・ベース)、ブレンダン・バチェ(ドラムス)、セオ・トラヴィス(フルート)等を配し、特にソフト・マシーンのセオによるフルートが要所要所で良い仕事をし、程よいアシッド感を醸しています。
生前のバートのライヴ・パフォーマンスには間に合わなかったようですが、本作ではかつてバートが取り上げたトラッド曲を2曲カヴァー。1曲は『Rosemary Lane』の〈Sylvie〉、もう1曲はペンタングル時代の〈Willie O Winsbury〉。バート・ヤンシュやジョン・レンボーンに通じる卓越したギターとボスフィールドのダブル・ベースのスリリングなアンサンブルがペンタングルを想わせますが、内省的な歌声はむしろニック・ドレイク。確かに近年稀にみるSSWアルバムの傑作です。(Mさんありがとう。)
蛇足ながらヘンリーの無人島レコードはウォータソンズの『A Yorkshire Garland』とのこと。頼もしい限りです。
Henry Parker – Silent Spring
Not On Label (Henry Parker self-released), 2019
A1. New Mantras 3:51
A2. Silent Spring 4:11
A3. False Guidance 4:35
A4. Sylvie 4:39
A5. Door Walk Blues 3:06
B1. Drive East 4:34
B2. Marbled Wren 4:38
B3. Days In A Dream 3:24
B4. Prospect Of Wealth 2:29
B5. Willie O Winsbury 5:16
Vinyl edition of 239
Henry Parker: Vocals, Guitars, Morris Drum
Augustin Bousfield: Double Bass, Harmonium
Brendan Bache: Drum Kit, Congas, Shaker
Theo Travis: Flute
David Crickmore: Fender Rhodes, Morris Drum
Produced and engineered by David Crickmore
Mastered by Neil Ferguson
All songs © Henry Parker 2019
All songs written by Henry Parker, except tracks A4 & B5, traditional arr. Henry Parker
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