Vinyl and so on

arrival
2018-12-15 17:42:55
Courtney Hartman & Taylor Ashton / Been on Your Side (2018)
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以前ご紹介したロバート・エリスとの『Dear John』が素晴らしかったコートニー・ハートマンの新作です。
 
今回は、カナダのルーツ系バンド、Fish & BirdのSSWでバンジョー奏者のテイラー・アシュトンと組んでいます。で、このテイラー・アシュトンもめっぽうバンジョーが上手く、二人の絶妙なアンサンブルの上を漂うように流れる浮遊感溢れる歌声もたまりません。
 
自作曲の間に散りばめられたニック・ドレイクとビル・ウィザース、センス抜群の選曲で、時折聴こえるポンプ・オルガンや極々控えめのブラスも内省的な歌声を際立てます。2018年のベスト間違いなしのアルバムです。

2018-12-04 13:02:30
Richard Thompson / 13 Rivers (2018)
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フェアポート・コンベンションの『A Tree With Roots』は、既発表の音源ながらもフェアポート関連のディラン曲がまとめて聴けるなかなかの好盤でした。
 
『13 Rivers』は、その中で「Open The Door Richard」を唄っていたリチャード・トンプソン、個人名義で18枚目のスタジオ・アルバムです。
  
このところバディ・ミラー、ジェフ・トゥイーディと他人にプロデュースを任せていたリチャードですが、今回は『Dream Attic』以来のセルフ・プロデュースです。そしてリズム・セクションは、ドラムにマイケル・ジェローム、ベースにタラス・プロドヌークのいつもの布陣で、セカンド・ギターにギターテックのボビー・アイヒホーンが加わります。もちろんお馴染みのレイ・ケネディ夫人、Siobhan Maher Kennedyは今回もコーラスで健在です。
 
タイトルの『13 Rivers』ですが、収録曲1曲1曲を川にたとえ、ジャケット内側には13曲の川が流れ込む湖のマップがリチャード自身のイラストにより描かれています。
 
リチャードの歌声は相変わらず力強く、愛用のストラトは今回も炸裂しています。年老いてもなお枯れることのない現役感満載のスタンスは感動的ですらあります。
後半のC面、D面では女性コーラスも加わり、マンドリンの音色と相俟って『First Light』あたりのリチャード&リンダ・トンプソンを思わせる秀作です。
 

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2018-11-30 12:40:51
Robert Ellis & Courtney Hartman / Dear John (2017)
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テイラー・アシュトンとの『Been On Your Side』が素晴らしかったコートニー・ハートマン。追いかけていたらこのアルバムに辿り着きました。
 
タイトルどおりジョン・ハートフォードへのトリビュート・アルバムです。
 
ロバート・エリスは来日したこともあるテキサスのSSW、コートニー・ハートマンは元Della Maeでギタリストとして活躍していたSSWで、本作は二人のアコースティック・ギターと歌のみでレコ―ディングされています。
 
とにかく二人ともギターが上手い。その巧みなギター・アンサンブルと息の合った歌声が穏やかで心地よく、曲の良さとも相俟って聴くものを夢見心地にさせてくれます。
 
特に「Gentle On My Mind」は、最近では『Shine A Light』でのビリー・ブラッグとジョー・ヘンリーのバージョンが良かったですが、こちらもいいですね。珠玉の出来です。
 
本作、ジョン本人の『Aereo-Plain 』(D・ブロンバーグ制作)や『Morning Bugle』(J・サイモン制作)と同様、カフェトラモナのフェイヴァリットです。

 

Dear John Track List
A side
1. Old Time River Man (from John's 『Down On The River』1989)
2. Them Way Long Time Ago Times (from John's 『Goin' Back to Dixie』1992)
3. Gentle On My Mind (from John's 『Earthwords & Music』1967)
4. Right in the Middle of Falling for You (from John's 『Down On The River』1989)
5. Here I Am In Love Again (from John's 『Down On The River』1989)

B side
1. Howard Hughes Blues (from John's 『Morning Bugle』1972)
2. Morning Bugle (from John's 『Morning Bugle』1972)
3. Delta Queen Waltz (from John's 『Down On The River』1989)
4. Up on the Hill Where They Do the Boogie (from John's 『Aereo-Plain』1971)
5. We Did Our Best (from John's 『Goin' Back to Dixie』1992)

2018-11-13 17:29:26
Lica / 「Easy」「Heavn」 伊藤ゴロー / ゲッツ/ジルベルト+50 E.P.
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11月3日の“レコードの日”にリリースされた7inchアナログ盤、2枚です。
左:ブラジル音楽ユニット「Bophana」のヴォーカリスト、Lica (山田りか)によるR&Bカヴァー・シングル。Bophana同様たおやかな歌声に癒されます。
右:録音50周年を記念して2013年にリリースされたトリビュート盤『ゲッツ/ジルベルト+50』から「イパネマの娘」と「ヴィヴォ・ソニャンド」をカップリング。naomi & goroの伊藤ゴローがプロデュースをし、「イパネマの娘」では土岐麻子が、「ヴィヴォ・ソニャンド」では原田知世がヴォーカルでフィーチャーされています。そして「イパネマの娘」はテナー・サックスに菊地成孔が、ピアノに山下洋輔が参加の豪華布陣です。さらにアルバムでは「プラ・マシュカール・メウ・コラソン」を細野晴臣が歌っています。

2018-11-06 14:59:27
取り敢えずアナログ盤が届きました。
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ボツにされたブラッド・オン・ザ・トラックスのニューヨーク・セッションを、当初発売予定していた内容に近いかたちに復元したアルバム。
全曲、ソロ若しくはTony Brownのベースのみで歌われたアコースティック・アルバムで、必要最小限にそぎ落とされた歌声がストレートに響きます。
ブートレッグ・シリーズの枠を越え、単なる「記録」でなく、一つの「作品」であり、もう一つの傑作です。当時、ブラッド・オン・ザ・トラックスがこのかたちでリリースされていたらブラックホークの99枚は異なっていたことでしょう。

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