Vinyl and so on

arrival
2020-02-22 10:38:47
『The Only Ones』『Fatal Flower Garden EP』『The Wren, The Wren』
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The Milk Carton Kids / The Only Ones(2019)

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10インチアナログ盤でリリースされたミルク・カートン・キッズの最新作。2018年の『All The Things That I Did And All The Things That I Didn't Do』は初めてドラムやベースを伴ったバンド編成の録音でしたが、今回は初心に戻って二人の歌声を支えるのはケネスの1954年製マーチンO-15とジョーイの1951年製ギブソンJ45のみ。アンネ・フランクの日記について唄った〈My Name Is Ana〉が沁みます。 

 

Sam Amidon / Fatal Flower Garden EP (A Tribute To Harry Smith)(2019)

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サム・アミドンの最新作はハリー・スミスへのトリビュートEP。表題曲の〈Fatal Flower Garden〉は元々は広くヨーロッパに分布するチャイルド・バラッドで、『アンソロジー・オブ・アメリカン・フォーク・ミュージック』ではネルストーンズ・ハワイアンズが唄っていました。この他ミシシッピ・ジョン・ハートの〈Spike Driver Blues〉、バスコム・ラマー・ランスフォードの〈Dry Bones〉、J・P・ネスターの〈Train On The Island〉が取り上げられていますが、アンソロジーとの聴き較べは必須でしょう。

 

Lisa O'Neill / The Wren, The Wren(2019)

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かつてブリテン各地の農村ではトゥエルフス・デイの夜、死んだミソサザイ(Wren)を王様のように花輪で飾り立て、家々を巡って1年の幸福を願うという風習が行われていました。その時戸口で交わされたセリフがスティーライの2ndのタイトルになった『プリーズ・トゥ・シー・ザ・キング』だそうです。で、ライザ・オニールの新作はこの風習をヒントに作った自作曲〈John-Joe Reilly〉とトラッドの〈The Wren, The Wren〉をカップリングしたシングル盤です。ジャケットの写真はアイルランドはリムリック州のレン・ボーイズ。トゥエルフス・デイのこの風習を切り回します。

 

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2019-12-22 23:25:07
Archie Fisher & Garnet Rogers / The Best Times After All(2019)
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1986年の『Off The Map』から何と33年ぶりの顔合わせ。スコットランドのベテラン・フォーク・シンガー、アーチー・フィッシャーと今は亡き兄スタン・ロジャースの遺志を受け継ぎ活躍するカナダのSSW、ガーネット・ロジャースによる2018年のツアーを録音したライヴ・アルバムです。

 

前回のアルバムでは全曲をアーチーが歌い、ガーネットはフィドルとフルートでサポートに徹していましたが、今回はそれぞれの持ち歌を交互に歌い、滋味あふれるアーチーの歌声に加え、ガーネットの兄譲りの味わい深いバリトン・ヴォイスもしっかりと堪能でき、正にベスト・タイム。二人の歌心がひしひしと伝わる名盤です。特にラストの〈Make And Break Harbour〉から〈Final Trawl〉へ繋がるメドレーは秀逸で、会場を巻き込んでの大団円は圧巻です。

 

The Best Times After All Track List

01. The Outside Track (Henry Lawson/Gerry Hallom) - Archie & Garnet

02. Leave It With Mine (Terry Hiscock) - Archie & Garnet

03. Riverboat (Natalia Zukerman) - Garnet solo

04. Mary Ann (Trad.) - Archie with Garnet(fiddle)

05. Here Tonight (G. Rogers) - Garnet solo

06. Border Lass (A. Fisher) - Archie solo

07. Summer's End (G. Rogers) - Garnet solo

08. Waltz Into Winter (A. Fisher) - Archie solo

09. It's A Gift (G. Rogers) - Garnet solo

10. Her Bright Smile Haunts Me Still (J.E. Compton/W.T. Wrighton) - Archie solo

11. Small Victory (G. Rogers) - Garnet solo

12. Ride Through The Rainbow (A. Fisher) - Archie solo

13. The Man In The Bed (Dave Alvin) - Garnet solo (slide)

14. Song For A Friend (A. Fisher) - Archie with Garnet + audience(chorus)

15. My Name Joe (David Massengill) - Garnet solo

16. Make And Break Harbour (Stan Rogers) - Garnet & Archie with audience(chorus)

17. Final Trawl (A. Fisher) - Archie with Garnet(fiddle) + audience(chorus)

 

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2019-12-20 13:02:21
Gee's Bend Quilters / Boykin, Alabama - Sacred Spirituals Of Gee's Bend(2019)
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アラバマ州ボイキンは州南西部のブラックベルト地帯におけるスモール・タウン。元々はジーズ・ベンドと呼ばれ、19世紀の中ごろからキルトが織られるようになりました。即興性に富んだデザインがモダン・アートを思わせることからジーズ・ベンドのキルトは近年全米でも注目を集めています。

 

そのキルティング作業中のワーク・ソングとして歌われているのがニグロ・スピリチュアルで、本作はドルセオラ・レコーディングスの鳥越 弾 氏によって2016年、2017年にフィールド・レコーディングされ、ビル・フリゼールの美しいライナーノーツが付されています。

 

ジーズベンドではアラバマ川に三方を囲まれるという地理的条件のためプリミティヴな形で黒人霊歌が歌い継がれ、ここでは〈Swing Low, Sweet Chariot〉〈Amazing Grace〉などポピュラーなものから〈Last Miles〉〈Sit Down Servant〉など固有のものまで、ジーズ・ベンド・キルターズによる原始的ながらも力強い歌声を聴くことができます。

 

ドルセオラ・レコーディングス、そのフィールド・レコーディング・アーカイヴにはSharde Thomas、Clifton Hicksなどトラモナでもお馴染みのミュージシャンが名を連ね、これからのリリースが楽しみなレーベルです。

 

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2019-12-17 18:39:57
Ry Cavanaugh / Time For This(2019)
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90年代中頃からボストンで活躍するSSW、ライ・キャヴァナウのクラウドファンディングで制作したアルバム。初めてプレッジしてみました。

 

そもそものライ・キャヴァナウは1996年にリリースされた『One Night In Cambridge』というコンピレーション。当時のボストン/ケンブリッジのフォーク・シーンが一望できるライヴ・アルバムで、ライ・キャヴァナウが制作し、あのメアリー・ゴウシェも参加していました。その後ショーン・ステイプルズ、クリス・デルムホーストと組んだヴァイナル・アヴェニュー・ストリング・バンドや元ザ・ストーリーのジェニファー・キンボールとのポップ・デュオ、メイビー・ベイビーなどで活躍し、自作の〈Lighthouse Light〉がメアリー・ブラックやレッドバード(クリス・デルムホーストが夫のジェフリー・フーコーとピーター・マルヴェイと組んだトリオ)に取り上げられ知られています。

 

ソロ作は1998年のEP(後に『April EP』と名付けられ、ジェイ・ベルローズが参加しています。)のみで、今作が実に21年ぶりのソロ・アルバムです。

 

全9曲、生前やはりボストン/ケンブリッジのフォーク・サーキットで活躍していたという父親ジョージ・キャヴァナウのペンによる作品集。ライの名前は誕生の少し前に1stアルバムをリリースしたライ・クーダーにちなんで名づけられたとのこと。愛妻ジェニファーのコーラスと盟友デューク・レヴィンのギターのみに伴われる穏やかなライの歌声は父親ジョージ・キャヴァナウの歌心を確りと歌い継いでいます。

 

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2019-11-17 13:20:09
Anya & Sue / First Meeting - Deep Snow Tour(2019)
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現在ノースキャロライナのSSW、アーニャ・ヒンクルさんと全国をツアー中のスーマーさんの新譜です。これは昨年のツアーの模様を収録したAnya & Sue名義のライヴ・アルバムで、それぞれの持ち歌を1曲ごと交互にリード・ヴォーカルを取っています。食器のぶつかる音やスマホのシャッター音なども聞こえるかなりラフなライヴ音源ですが二人の真摯な歌声は聴く者にしっかりと伝わる良いアルバムです。

 

シナジー効果でしょうか、〈悪魔とバンジョー〉〈泥水は揺れる〉〈嵐が過ぎ去ったそのあとで〉などお馴染みのス―マー曲もアーニャさんのフィドルとコーラスを伴っていつもとは別の表情を見せ、格別の味わいを醸しています。

 

またアーニャさんの少しアーシーで艶やかな歌声も素晴らしく、特に日本語で歌われれる〈漕ぐだけさ〉は白眉。パイカスの岩城さんのスリリングなラップ・スティールと相俟ってまさに名曲の名唱を聴かせてくれます。

 

最後は二人で共作した〈東京に雪が降る〉です。アーニャさんの英語詞とスーマーさんの日本語詞が違和感なく歌われる名曲で、スーマーさんのブートレッグ・シリーズに新たな名作が加わりました。

 

Track List

01. 老いぼれダート ファーマー (Sue)

02. エヴァー・ホワット・ゼイ・セイ (Anya)

03. さよならジャクリーヌ (Anya & Sue)

04. 蜜蜂の泉 (Anya)

05. 悪魔とバンジョー (Sue)

06. 飛んでゆくの (Anya)

07. 泥水は揺れる (Sue)

08. 漕ぐだけさ (Anya)

09. 嵐が過ぎ去ったそのあとで (Sue)

10. 寂しき谷 (Anya)

11. 人生行きあたりばったり (Sue)

12. 東京に雪が降る (Anya & Sue)

13. 東京に雪が降る (Demo)

 

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