Vinyl and so on

arrival
2019-10-21 15:48:26
Rita Weill ‎/ Sings Ballads And Folksongs(1969)
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かつてスモール・タウン・トーク誌で紹介されていたのでずっと気になっていたアルバムです。つねにウィッシュリストの片隅には載っていたのですが、2015年のRoscoe Holcomb『San Diego State Folk Festival 1972』の裏ジャケットにロスコーとリタの微笑ましいツーショットが掲載されていたのを見て俄然上位に。やっとのコレクションです。

 

当時育児のために歌うのをやめて、『Los Angeles Broadside!』誌の編集や『Sing Out!』誌への寄稿などをしてフォーク・ミュージックにかかわっていたリタですが、タコマのジョン・フェイヒィに奨められてこのアルバムを制作したとのこと。

 

UCLAフォーク・フェスティヴァルの折、A・L・ロイドから習ったという〈Unquenching Fire〉を皮切りに、アイルランドへの蒐集旅行でゴールウェイ州カハリストランのセーラとリタ・ケーン姉妹が彼女のために歌ってくれた〈Lord Duneagle 〉、初期のアルビオン・カントリー・バンドも取りあげていた〈Lord Bateman〉のオザーク・ヴァージョンなど、トランスアトランティックな選曲で12曲。1、2曲でコンサーティーナかフィドルが伴奏されるほかは全曲無伴奏で歌われ、ペタ・ウェッブにも通ずるトラッド・シンギングが堪能できます。

 

その後リタはフランキー・アームストロングの『"...Out Of Love, Hope And Suffering."』をプロデュースし、そのアルバム中〈The Cuckoo〉では二人のデュエットを聴くことができます。

 

A1. Unquenching Fire

A2. William Hall

A3. Pretty Fair Damsel In The Garden

A4. The Bramble Briar

A5. Fond Affection

A6. Lord Duneagle

B1. Lord Bateman

B2. Rocking The Cradle

B3. The Wife Of Usher's Well

B4. The Dark-Eyed Gypsy

B5. The Lass Of Aughrim

B6. Polly Oliver's Rambles

 

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2019-10-15 17:01:47
『Rebel with Her Chords』『Clementine』『Backbone』『McNally Waters』『Singer Songwriter』
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最近コレクションされたCDをご紹介します。

ご来店の際にリクエストしてください。

 

◆Sandra Kerr / Rebel with Her Chords(2019)

クリティック・グループ関連や愛娘ナンシー・カーたちとの作品を含めると相当数のアルバムをリリースしている英国のベテラン・シンガー、サンドラ・カーの個人名義では5枚目の最新作。ナンシー・カー&ジェイムズ・フェイガン夫妻はもとより、ダヴテイル・トリオのロージー・フッドも参加しています。ランディ・ニューマンの〈Louisiana 1927〉のカヴァーは嬉しい驚きです。 

 

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◆Paper Wings / Clementine(2019) 

米オールド・タイムやアパラチアン・トラッドをフォーマットにしたオリジナル曲を唄う女性フォーク・デュオの2nd。ギターとフィドルのウィルヘルミナはグラミー・ウィナーであるジョイ・ウィリアムズのバック・バンドの一員として、バンジョーとフィドルのエミリーは西海岸のオールド・タイム・ストリング・バンド、クルックド・ジェイズのフィドラーとしても活躍しています。東のThe Other Yearsに対する西からの回答と云って良いでしょう。

 

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◆Pete Coe / Backbone(2010)

2010年のソロ5作目。ソロになってから伴奏楽器として5弦バンジョーを多用するようになったピート・コーですが、そのフレイリングとフット・タップの組み合わせから生れるグルーヴは英国フォーク・シーンで唯一無二。今回も〈Fair Margaret and Sweet William〉など5曲でバンジョーの弾き語りが堪能できます。またクリス・コーのサポートも聴きどころ。ピートのメローディオンにクリスのハンマード・ダルシマーが絡むダンス曲はやはり最強です。

 

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◆McNally Waters / McNally Waters(2019)

先だっての来日公演も素晴らしかったラリー・ジョン・マクナリーがピアノ/オルガン奏者のハリー・ウォーターズと組んだ新ユニットの1st。ユニット名義ではあっても全曲ラリーがヴォーカルをとっているのでラリーのソロ作と云ってもいいくらいです。素晴らしく有能な、しかもラリーの音楽とはすこぶる相性のいいピアノ/オルガン奏者が参加したこのアルバム、名作『夏の舗道』をもっと黒っぽくした傑作です。ちなみにハリー・ウォーターズはピンク・フロイドのベーシスト、ロジャー・ウォーターズの息子さんとのこと。

 

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◆スチョリ / Singer Songwriter(2019)

ラリーパパ&カーネギーママのピアノ奏者スチョリさんのソロ活動10周年を節目に公開レコ―ディングしたピアノ弾き語りアルバム。ラリーパパの〈風に乗って〉やロジャー・ティリソンに捧げた〈ダ・ボン〉などがピアノの弾き語りで唄われています。新曲の〈春の小舟〉はFoster meets The Bandをイメージした曲とか。菅野カズシゲさんのジャケットと相俟ってささくれた気持ちをまんまるくしてくれます。

 

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2019-09-11 11:28:42
Bob Copper / Prostrate with Dismal(2014)
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シャーリー・コリンズとアルビオン・カントリー・バンドの超名盤『ノー・ローゼズ』。一曲目の〈クラウディ・バンクス〉で出典元としてクレジットされているサセックスのボブ・コパーは、イングランドで最も尊敬されているトラッド・シンガーです。1971年にコパー・ファミリーがトレイラーに残した『A Song For Evrey Season』は、一家が200年以上にわたって綿々と歌い継いできたトラッド・ソングを集大成した名作として英国トラッド史上に燦然と輝いています。そんなボブ・コパーが大のブルース・ファンであったのはあまり知られていません。1930年代にスリーピー・ジョン・エステスのSP盤を中古店で買い求めたのが始まりとか。そう云えばブラインド・ウィリー・ジョンソンのトリビュート・アルバム『Dark Was the Night』にもイングリッシュ・カントリー・ブルース・バンドを率いたボブ・コパーの〈Soul of a Man〉が収録されていました。

 

本作は生誕100周年を前にこれまでばらばらにリリースされていた音源を一つに纏め上げたもので、イアン・A・アンダーソンのナショナル・スティールとベン・マンデルソンのマンドリンをバックに唄う〈Diving Duck〉〈Brownsville No. 2〉〈Soul of a Man〉、自身のコンサーティーナで弾き語る〈Rags and Old Iron〉〈Going Down to Brownsville〉の5曲が収録されています。

 

たった5曲ですが、南イングランドの隠れたブルース・シンガーが生涯にわたって遺した全てのブルース音源が堪能できる一枚。音楽はいつも南を目指します。

 

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2019-08-12 15:34:34
『The Road To Peterloo』『The Man In The Red Car』『Bold Champions』『Luke Plumb & Kate Burke』
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30年以上前からお付き合いをさせていただいている大分のCDショップ『タムボリン』さんからイングランドのトラッドを中心とした素敵なCDが届きました。

 

Coe, Peters & Smyth / The Road To Peterloo(2019)

 

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70年代にPete & Chris Coeの夫妻デュオで活躍し、『Out of Season, Out of Rhyme』『Bandoggs』など数多くの名作を残すピート・コー、80年代にそのピートの後ろ姿を追ってキャリアをスタートさせたマンチェスターのフォーク・シンガー、ブライアン・ピーターズ、現在イングランドで最も注目されているフォーク・デュオLaura Smyth & Ted Kempのローラ・スマイス。 その世代の異なる3人のシンガーが、1819年にマンチェスターで起こったイギリスの労働史上最も悪名高い出来事の1つである Peterloo Massacre(ピータールーの虐殺)について、当時印刷されたブロードサイド・バラッドで唄い綴ったアルバムです。フォーク・シンガー斯くあるべしという信念が横溢しています。

 

Pete Coe / The Man In The Red Car(2017)

 

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ピート・コーの前作。これまでのシンガーとしてのキャリアをバンジョー、ブズーキ、メローディオンなどで弾き語り、名曲〈Farewell to the Brine〉も再演しています。1曲のみプロデューサーのデイヴィッド・クリックモアがリチャード・トンプソンを想わせるエレクトリック・ギターを凄くイイ感じで弾いています。

 

The Dovetail Trio / Bold Champions(2019)

 

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ギターとヴォーカルのジェイミー・ロバーツ、ヴォーカルの紅一点ロージー・フッド、デュエット・コンサーティーナとヴォーカルのマット・クイン、3人がそれぞれ別のプロジェクトやソロ作でも活躍する強者ぞろいのイングランドのトリオの2nd。ジェイミーのギターとマットのコンサーティーナの卓越した腕前も然る事乍ら〈Black-Eyed Susan〉〈Death and the Lady〉〈The Wreck of the Northfleet 〉〈Four and Twenty Fiddlers〉などで聴かれる無伴奏のコーラス・ワークは脱帽ものです。因みにマット・クインはFlowers and FrolicsやGas Mark 5でメローディオンを弾いていたダン・クインの息子さんとか。

 

Luke Plumb & Kate Burke / Luke Plumb & Kate Burke(2019)

 

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前作でアンディ・アーヴァインとの共演で気を吐いたオーストラリアのルーク・プラム。今回はやはりオーストラリアのフォーク・デュオKate Burke & Ruth Hazletonのケイト・バークとの共作です。既にルークはKate Burke & Ruth Hazletonの『Declaration』をプロデュースしているので当然の成り行きでしょうか。Kate Burke & Ruth Hazletonはこれまで〈Lay Down Your Weary Tune〉〈Let Me Die in My Footsteps〉などディランの、それも渋い楽曲を取り上げてきているので常に気になる存在。今回はディラン曲こそ唄っていませんが、R・トンプソンの〈Crazy Man Michael〉やA・フィッシャーの〈The Witch of the Westmorland〉など秀逸です。

 

ご来店の際にリクエストしてください。

2019-07-13 14:13:48
Dan Penn / Do Right Man(1994、2018)
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先日富山のAさんにご来店いただきました。Aさんは1990年代終わりから2000年代半ばまで発行していた小冊子『VINYL』の同人で、20年来の友人です。お土産に『Do Right Man』のアナログ盤を持って来てくれました。

 

ご存じのとおり『Do Right Man』は米国南部のソングライター/プロデューサー、ダン・ペンの2ndアルバム。当初はCDのみのリリースで、2013年にMusic On Vinylがヨーロッパでアナログ化していましたが、本国アメリカではいただいたライノ盤が2018年の初アナログ化です。

 

改めて聴きなおすとリードギターは全曲この1月に亡くなったレジー・ヤングだったんですね。〈You Left The Water Running〉なんて凄いです。またアヴァ・アルドリッジやジョージ・スーレが名を連ねているバッキング・ボーカルやホーン・セクションもいい味を出しています。もちろんダン・ペンの歌声もソウルフルこの上なく、〈The Dark End Of The Street〉〈Do Right Woman Do Right Man〉〈I'm Your Puppet〉などベスト盤的収録内容で、1stよりこちらを推す人が多いのも頷けます。やっとアナログ盤でも聴けるようになりました。

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