Vinyl and so on

The Art of Eric Von Schmidt
2019-05-21 10:39:11
Mitch Greenhill & Mayne Smith ‎/ Storm Coming(1979)
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ミッチ・グリーンヒルはボストン出身のフォーク・シンガーでマルチ弦楽器奏者。父親がボストンでフォークロア・プロダクションズを経営していたため幼少のころからピート・シーガーやシスコ・ヒューストン、ライトニン・ホプキンス、レヴェランド・ゲイリー・デイヴィス、サニー・テリーなどフォーク・レジェンドたちに囲まれて育ったとのこと。プレスティッジから『Pickin' The City Blues』『Shepherd of the Highways』の2枚のアルバムをリリースしていますが、後者にはジェフ・マルダーやフリッツ・リッチモンド、そしてジェフ・ガッチョン(ハングリー・チャック‼)まで参加しており、ジャケット画をエリック・フォン・シュミットが描いているのもボストン/ケンブリッジのフォーク・シーンのコネクションゆえと頷けます。
 
もう一方のメイン・スミスはカリフォルニアはバークレー育ちのやはりフォーク・シンガー兼マルチ弦楽器奏者で、60年代にはアッシュ・グローヴやマッケイブス界隈でライ・クーダー、タジ・マハール、ジョン・フェイヒー、デヴィッド・リンドレーなどそうそうたるメンバーとしのぎを削って演奏に明け暮れていたそうです。特に1965年夏にはリチャード・グリーン、デヴィッド・リンドレー、マーク・レヴィンらとブルーグラス・バンドを組み、トパンガ・キャニオンのバンジョー&フィドル・コンテストに出場したリチャード・グリーンをバック・アップしたとか。そんなメイン・スミスのスティールやドブロの演奏は、ジム・クウェスキンの『Jim Kweskin's America』やロザリー・ソレルズの『Travelin' Lady』で聴くことができます。
 
さてアルバム『Storm Coming』ですが、ミッチ・グリーンヒルが活動拠点を東海岸から西海岸に移すことにより生れました。二人の卓越した弦楽器のアンサンブルにホーン・セクションが加わるというのはデヴィッド・ブロンバーグ・バンドを想わせ、粗削りなヴォーカルにLickettesのマリアン・プライスらのコーラスが絡むなどオール・アメリカン・ミュージックの醍醐味が満載の名盤に仕上がっています。タジ・マハールやドック&マール・ワトソン親子が参加しているのも聴きどころです。
 
ジャケットからは迫り来る嵐の中で歌い続ける二人の豪快な歌声が聴こえるようで、エリック・フォン・シュミットのジャケット画の中でも好きな一枚です。壁に飾りたいのですが少しジャケットのサイズが大きく額に入らないのが残念です。
 
Mitch Greenhill & Mayne Smith ‎/ Storm Coming(1979)
A Side
01. Storm Coming (Smith, Greenhill)
02. It's Not Time To Go (Smith)
 Electric Piano, Percussion – Taj Mahal
03. Don't You See That Train (A. Delmore)
 Lead Guitar – Doc Watson
04. Freight Train Blues (Trad. arr. by Smith, Greenhil)
 Slide Guitar – Merle Watson
05. Joshua (Greenhill)
 
B Side
01. Ain't No Instant Replay (Greenhill)
02. Tucson One More Time (Smith)
03. Alameda Blues (Smith, Greenhill)
04. Brightwood Fire (Greenhill)
05. Saturday Matinee (Smith)
06. Satisfied Mind (Rhodes, Hayes)

2019-05-21 10:41:05
The John Renbourn Group / Live In America(1982)
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ペンタングル解散後ソロ活動を続けていたジョン・レンボーンがジャッキー・マクシーを誘ってスタートさせたジョン・レンボーン・グループのライブ・アルバムです。メンバーはレンボーンとマクシーのほか、フルート、クルムホルンのトニー・ロバーツ、ダルシマー、マンドリン、フィドルのジョン・モリヌー、タブラのケシャヴ・サティ。トラッド、古楽、インド音楽などレンボーン音楽のエッセンスがすべて揃っています。アーチー・フィッシャーの「Lindsay」で始まるこの『Live In America』は1981年4月サンフランシスコのグレート・アメリカン・ミュージック・ホールとサンタモニカのマッケイブス・コンサート・ホールで録られたもの。プロデューサー陣にミッチ・グリーンヒルが名を連ねています。
 
The John Renbourn Group / Live In America(1982)
A Side
01. Lindsay
02. Ye Mariners All
03. English Dance
04. The Cruel Mother
05. Breton Dances
 
B Side
01. The Trees They Grow High
02. Farewell Nancy
03. Van Dieman's Land
04. High Germany
 
C Side
01. Sidi Brahim
02. The Month Of May Is Past / Night Orgies
 
D Side
01. John Dory
02. So Early In The Spring
03. Fair Flower
04. John Barleycorn Is Dead
 

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