Vinyl and so on

1995年に発表されたロン・セクスミスのデビュー・アルバムがリリース25周年を記念してアナログ化されました。もともと名盤の誉れ高い本作、これまでCDでは最後にダニエル・ラノアがプロデュースした〈There's a Rhythm〉が本編とダブって収録されていましたが、今回のアナログ化に際してこのトラックが削られ、ロンが当初構想したトラックリストに戻されたとのこと。A面はアコースティック・ギターとチェロのアンサンブルが美しい、生まれたばかりの息子について唄った〈Speaking with the Angel〉で終わり、B面は育った路地の思い出〈Galbraith Street〉をアルバム唯一の弾き語りで締め括るという、いかにもSSWの名盤らしい構成の復元です。発表当時エルヴィス・コステロに「この先20年は聴き続けられるアルバム」と評価された本作、20年と云わず、あの『ブルー・リヴァー』と並ぶSSWの名盤としてレコード棚にいつまでも燦然と輝き続けるでしょう。
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Roy Bailey with Martin Simpson & John Kirkpatrick『Sit Down and Sing』Fuse, 2005
心不全のため11月20日に亡くなった英国のフォーク・シンガー、ロイ・ベイリーが2005年にリリースした13枚目のアルバムです。
自身では歌を作らないロイ・ベイリーは、優れたインタープリターとしてレオン・ロッセルソン、サイ・カーンなど多くのソングライターを紹介してきました。ここでもロッセルソンやカーンを始め、ユタ・フィリップス、ディック・ゴーハン、ホリー・ニア、ロブ・ジョンソンなどの楽曲を娘婿のマーティン・シンプソンのギターと盟友ジョン・カークパトリックのボタン・アコーディオン、コンサーティーナをバックに歌っています。
1950年代のフォーク・リバイバルの時代から常に民衆の側に立って歌い続けたロイ・ベイリーの清廉かつ豪胆な歌声を聴きつつ故人のご冥福をお祈りいたします。
それにしてもマーティン・シンプソンとジョン・カークパトリックの伴奏は贅沢です。ちなみに遺作となった『Live at Towersey Festival 2015』では、ジョン・カークの代わりにアンディ・カッティングがバックを務めています。こちらも凄い!!
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