Vinyl and so on

arrival 2024
2024-03-09 15:59:04
『Live From Bristol』『Lady of the Lake』
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Nora Brown with Sarah Kate Morgan『Live From Bristol』Jalopy Records, 2023

Nora Brown and Stephanie Coleman『Lady of the Lake』Jalopy Records, 2023

 

ノラ・ブラウン、2023年の仕事です。

1枚はサラ・ケイト・モーガンとリリースした7インチ『Live From Bristol』。A面の〈Down in the Willow Garden〉はマーダーバラッド、B面〈Waynesboro〉はインストで、サラ・ケイトはマンウンテンダルシマーとコーラスでノラをサポートしています。

 

もう1枚の『Lady of the Lake』はフィドルのステファニー・コールマンとコラボした10インチ。ステファニーとのレコーディングは2019年のデビュー作『Cinnamon Tree』以来。そのステファニーは現在アンクルアールのメンバーとのこと、気づきませんでした。4曲中タイトル曲の〈Lady of the Lake〉と〈Twin Sisters〉がインストで、〈Gone So Long〉と〈Copper Kettle〉が唄もの。インストではステファニーが、唄ものではノラがイニシアティブをとっているようで、ディランも唄った〈Copper Kettle〉での益々渋くなったノラの歌声が聴きどころです。

 

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2024-01-21 16:53:44
Nick Hart & Tom Moore『The Colour of Amber』
Nick Hart & Tom Moore『The Colour of Amber』

Nick Hart & Tom Moore『The Colour of Amber』Slow Worm Records, 22 November 2023

 

昨年リリースされたニック・ハートの最新作が届きました。『Nick Hart Sings Eight English Folk Songs』を振出しに『Nine』『Ten』と続いたシングス・イングリッシュ・フォークソング・シリーズは小休止。1枚目からずっとニックをサポートをしてきたMoore Moss Rutterのトム・ムーアとの共演盤です。今回はお馴染みのギター弾き語りは封印し、自身の弾くヴィオラ・ダ・ガンバとトムのヴィオラ、そして後からダビングされたハーモニウムのドローンで唄っています。

 

クラシカルな演奏にのせて唄われるのはジョン・カークパトリックがブラスモンキーで唄った〈The Jolly Bold Robber〉やマーティン・カーシーの〈Three Jolly Sneaksmen〉などトラッドが6曲。いずれもゆったりとしたテンポで唄われ、穏やかな歌声には温かみが溢れています。最後の〈Bold Riley〉は『A Sailor’s Garland』におけるA・L・ロイドの歌唱が初出のシーシャンティ。元ラムズ・ボトムのキース・ケンドリックに多くを負っているとライナーには記されていますが、むしろケイト・ラスビーのヴァージョンを想いおこす方が多いのでは。揚帆作業で唄われるハリヤードをニックはテンポを落とし、まるでエレジーのように唄っています。

 

またトムのヴィオラをフューチャーしたインスト4曲も素晴らしく、〈Swaggering Boney〉〈Constant Billy〉など モリス・チューンやジョン・プレイフォードのダンシング・マスターから〈The Child Grove〉のカントリー・ダンス・チューンが、ヴィオラとヴィオラ・ダ・ガンバのイナたくも優雅な演奏で堪能できます。そして〈Flowers of Edinburgh〉はプラントライフの名アンソロジー『English Melodeon Players』(1986)からトニー・ホールの演奏をお手本にしたもの。母親の胎内にいるときからトニーのメロディオンを聴かされていたトムにとってトニーの音楽は今でも根強いお気に入りだとか。唄も演奏も良し。鮮やかさが際立った、昨年聴いた中でも指折りのアルバムです。

 

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ちなみに『English Melodeon Players』にはトニー・ホールのほかロッド・ストラドリング、ロジャー・ワトソン、デイヴ・ロバーツなどの素晴らしい演奏が収められていますが、同レーベルには『English Fiddle Players』と云うアルバムもあり、どちらも必聴です。

 

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2023-12-09 17:24:12
Various Artists『I Thought I Told You - A Yorkshire Tribute to Michae
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Various Artists『Imaginational Anthem vol. XII : I Thought I Told You - A Yorkshire Tribute to Michael Chapman』 Tompkins Square, 2023

 

トンプキンス・スクエアのイマジネイショナル・アンセムももう第12弾。今回は2021年に亡くなったリーズ出身のSSWでギター・ヴァーチュオーゾとしても知られるマイケル・チャップマンのトリビュートです。デビュー作『Silent Spring』が素晴らしかったヘンリー・パーカーがキュレーターを務め、地元ヨークシャーの若手ミュージシャンに声をかけて同郷のギター・ヒーローを讃えています。弾き語りからエクスペリメンタルな作品まで様々なアプローチが可能なのはチャップマンの懐の深さでしょう。ヘンリー・パーカー〈In the ValleyKatie〉、ケイティ・スペンサー〈You Say〉、クリス・ブレイン(wow!!)〈Among the Trees)が良い。

 

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