James Taylor『At Christmas』Columbia Records, 2006

来春の日本公演が決まったジェイムズ・テイラーのクリスマスアルバム。2004年にホールマークカーズからリリースされていた『A Christmas Album』から1曲削り、『オクトーバー・ロード』収録の〈Have Yourself a Merry Little Christmas〉とジョニ・ミッチェル〈River〉のカヴァーを加えてコロンビアからリイシューしたもの。削られた〈Deck the Halls〉をボーナストラックにしたヴァージョンもあるようです。プロデュースは追加された2曲を除きデイヴ・グルーシン。ジャジーな演奏をバックに穏やかなクルーナーで数々のスタンダードなクリスマスソングを唄っています。トラモナ的にはやはりジョニ・ミッチェルの〈River〉ですが、加えて〈Go Tell It On The Mountain〉も。いかにもJTなアコギとキャロル・キングを想わせるピアノのイントロにワクワクです。

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Tracey Thorn『Tinsel And Lights』Merge Records, 2012

トレイシー・ソーンのクリスマスアルバム。スタンダードなクリスマスソングは〈Have Yourself a Merry Little Christmas"〉のみで、2曲の自作曲のほかスフィアン・スティーヴンス、ホワイト・ストライプス、スクリッティ・ポリッティ、ロウなどが取り上げられています。トラモナ的にはランディ・ニューマン〈Snow〉やジョニ・ミッチェル〈River〉、ロン・セクスミス〈Maybe This Christmas〉が特にお薦め。オリジナル曲〈Joy〉では夫ベン・ワットと共に3人の子供たちがクワイアとして参加し、アナログ盤のみ収録の〈25th December〉はEBTG『Amplified Heart』ではベンが唄っていた名曲のトレイシー・ヴァージョンです。

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吉田美奈子『BELLS - Special Edition』Universal Music, 3 November 2023

美奈子さんはぱふの時代からファンでしたが、1986年に自主制作されたCD『BELLS』は買い逃してしまいました。パイドパイパーか何処かで手に取ったのですが、不覚にもスルー。2002年にコピーコントロールCDで再発された際にすぐに手に入れ、今ではこの時期になると無性に聴きたくなる1枚です。「レコードの日」のアイテムとして今回リリースされたのが初めてのアナログ化。やはり〈Christmas Tree〉は名曲です。美奈子さんには『Key』（1996）所収の〈12月のIllumination〉と云うクリスマスソングもあり、これも素晴らしいので併せてどうぞ。

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Stan Rogers『Between the Breaks… Live!』Fogarty’s Cove Music, 1979

クリスマスアルバムではありませんが、この時期になるといつも聴きたくなる〈First Christmas〉が収録されているのでご紹介します。スタン・ロジャースはカナダのSSW。70年代後半から80年代にかけてコバーンやマクロクランの次に続く世代の筆頭として活躍していましたが、83年6月カーヴィル・フォーク・フェスティバル出演の帰りに遭遇した飛行機事故により還らぬ人となってしまいました。

79年の本作は3枚目にして初のライヴアルバム。4月の収録なのに何故クリスマスか分かりませんが、大志を抱いて独立した若者や父親の暴力を逃れて家出をした少女の、あるいは施設に入所した老人の初めてひとりで迎えるクリスマスが唄われています。云ってみればカナダ版「春よ来い」。スタンの威風堂々とした説得力ある歌声に圧倒されます。隠れたクリスマスソングの名曲です。

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